1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~
1.1. NORMAL
2. 思い出1.1.1. 白の王国辺縁部
1.2. CHRONICLE1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち
1.1.2. 白王宮周辺1.1.3. 黒の町1.1.4. 飛行島戦艦1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り 1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲1.1.4.6. Story 4-3黒の使い
1.1.5. 白の町1.1.6. 天地の狭間1.1.7. 白の王宮1.1.8. 黒の市街地1.1.9. 黒の大地1.1.9.1. Story 9-1剣士の心1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者
1.1.10. 黒の市街地1.1.10.1. Story 10-1黒の王子1.1.10.2. Quest 10-2連行1.1.10.3. Story 10-2後継者1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも1.1.10.5. Story 10-3導き
1.1.11. はるか天空1.1.12. 始祖のルーンの問1.2.1. 白の王国辺縁部1.2.2. 白の王宮周辺
1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠
1.2.3. 黒の町1.2.4. 飛行島戦艦1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び1.2.4.5. Story 4-2真の隊長
1.2.5. 白の町1.2.6. 天地の狭間1.2.7. 白の王宮1.2.7.1. Story7-1 不思議な人1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから
1.2.8. 白の監獄1.2.9. 黒の大地1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い1.2.9.2. Story9-1 家族として1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠
1.2.10. 黒の市街地1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民1.2.10.4. Quest 10-3徴発1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢
1.2.11. はるか天空1.2.11.1. Story 11-1持つてる子1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽
1.2.12. 始祖のルーンの問1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~
1.1. NORMAL
1.1.1. 白の王国辺縁部
1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと
ずっとずっと昔のこと
はるかな天空に浮かぶ
美しい王国
その玉座で丸まる
気高き白猫に
泥にまみれた黒猫が
恋をした。
それが
すべてのはじまり───
ZERO
CHRONICLE
ゼロ•クロニクル
~はじまりの罪~
アイリス:
空が───軋む───
<始祖のルーン >は渡さない───
───闇よ───消え去れ───!!!
1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者
1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇
1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち
アイリス
───ルーンよ、 我が意に従え。
(KARIDA,LUX,BLAN,LUCEM,BOOM……!)
幾条ものルーンの光が、 |
───はあっ!
アイリスの全身から |
アイリス:
……はぁ……はぁ……
…………っ……! ?
───遠ざかっていきながら! |
アイリス:
……まだこれほどっ……!
???:
王を守れ!
臆するな、 光の騎士よ!
ルーンの加護は、 我らにあり!
アイリス:
ファイオス…… !
ファイオス:
< 闇 >の魔物に、 白の王国を汚させるな!
ファイオスの号令一下、 |
???:
援護を!
はい!
???:
巫女が司りしルーンよ……
我らにも、 幾ばくかの力を
貸し与えたまえ───
───光よ!
盾となり、 邪を弾け! '''
額にルーンをはめた |
ファイオス:
助かったぞ、 シーマ!
この機を逃すな! 追い散らせ!
剣と盾に光をまとわせ、
奮戦する騎士たちが、 徐
々に魔物を押し返していく───
アイリス:
……やはり……膨張している……
このままでは……
…… いずれ、 <均衡 >は……
1.1.2. 白王宮周辺
1.1.2.1. Story- 2-1ソウルのつぼみの
???:
……おかしいなぁ…… ?
ソウルは十分に行き渡ってる
はずなんだけど…… ?
ファイオス:
水が足りないんじゃないか?
テオ?
テオ:
あ! おかえり、 兄ちゃん!
ファイオス:
ただいま。それか、 日光か。
お前は初歩的なところを
見落としがちだからな。
テオ:
そんなことないよ! 今回は!
ファイオス:
まだ、 つぼみだな。
テオ:
清浄なソウルがたくさんあれば、
花が開くはずなんだけど……
ファイオス:
……清浄なソウル、 か……
テオ:
あ! お仕事、 どうだったの! ?
怪我とかしてない! ?
ファイオス:
兄ちゃんの腕を見くびるなよ。
< 闇 >なんかに遅れはとらないさ。
テオ:
さっすが~!
シーマ:
兄様、 私の援護魔法を
忘れていませんか?
テオ:
姉ちゃんも! おかえり〜!
ファイオス:
援護魔法……? そうだったか?
シーマ:
まあ! 確かに聞きました!
『助かったぞ、 シーマ』 と!
ファイオス:
ははは、 冗談さ。
シーマ:
<闇 >と戦っているのは
騎士たちだけではないのですよ?
私たち魔道士も、
命を賭しているのですから。
ファイオス:
ああ……
それに…… アイリス様も。
シーマ:
…………
テオ:
王様、 強いよね!
今度こそ<闇 >をやっつけたんでしょ! ? オ
ファイオス:
いいや、 とどめには至らなかった。
シーマ:
始祖のルーンの力なら、
不可能ではないはずですけど。
ファイオス:
全ての力を使い果たすわけには
いかないさ。
シーマ、 お前だって、
額のティアラから
ルーンの加護を得てるじゃないか。
シーマ:
そうでしたわね。
……ですが、 少し、 思うところも。
テオ:
姉ちゃん?
シーマ:
<均衡 >には<闇 >も不可欠……
その躊躇があるのではないかと……
ファイオス:
…… シーマ、 この場だけだぞ。
アイリス様は、 全霊をもって
<闇の王 >を討つおつもりだ。
シーマ:
それであれば。
光の騎士団長ともなれば、
私よりも、 アイリス様のお考えを
よく知っていますものね。
ファイオス:
俺はわかっているからいいが……
あまりそういう言い方をするなよ?
シーマ:
心得ております。
私とて、 一隊を預かる
宮廷魔道士ですもの。
テオ:
うん!
兄ちゃんも姉ちゃんも、
僕の自慢さ!
シーマ:
まあ、 テオったら。
テオ:
僕もおっきくなったら
騎士団長になって、
王様のために戦うんだ!
ファイオス:
言ったな。 じゃあ俺はどうする?
テオ:
副団長ににんめーしてしんぜよ─!
ファイオス:
はは─、 団長様の命とあらば。
テオ:
うむ!
シーマ:
ふふふふ……♪
1.1.2.2. Quest 2-1清浄なるソウル
1.1.2.3. Quest 2-2光に守られし国
1.1.2.4. Story 2-2光の王
側近:
───様!
アイリス様!
いかがなされました?
アイリス:
……え……?
側近:
やはりお力の使い過ぎで……
アイリス:
……いいえ。 心配は無用です。
<光の王 >───アイリスは、 |
アイリス:
───これで幾度目でしょう。
<闇 >の侵攻は。
今回も、 辛くも退けましたが、
次も上手くいくとは限りません。
側近:
< 闇 >は、 やはり……?
アイリス:
<闇の王 >……
あの本能の化身は、
ますます密度を濃くしています。
私の力も、 いつまで通用するか……
側近:
…………
???:
アイリス様。
アイリス:
あなたはエルフ族の長、
アランティアですね。
アランティア:
この場を借りて申し上げます。
我ら妖精族と精霊族は、
一つの結論に至りました。
アイリス:
それは?
アランティア:
力の強い妖精と精霊を選りすぐり
一人一人が糸となり、絹と織り───
───宝冠と化するのです。
側近:
なんと…… !
アランティア:
さすればソウルは
その相互作用を、 さらに
高めることでございましょう。
選ばれし者に、
宝冠をお授けください。
その者、 潜在能力全てを解放し、
<闇 >を裂く切っ先となりましょう。
アイリス:
ですが、それでは……
アランティア:
ご心配には及びません。
豊穣なる地の純粋なソウルより、
我らは生まれます。
<闇の王 >を仕留めることが、
第一に優先すべきこと。
アイリス:
…………
側近:
これは、 名案です…… !
よくぞ言ってくださいましたな!
アランティア:
我らも同じくこの国の民。
王国の平和を願えばこそ。
全ての生命が命を振り絞らねば、
討てぬ相手でありましょう。
アイリス:
…………
側近:
準備を進めておくよう、
お願いいたします。
よいですな、 アイリス様。
アイリス:
…… ええ。
アランティア:
はっ……
アイリス:
そう…… 命を惜しんでいては、
勝つことは叶いません。
皆には心苦しいですが、
より一層の軍備と調練を。
側近:
はっ。
アイリス:
……ですが……
その先の、 平和な世界を、
皆には生きてもらいたい……
先陣は───私が───!
側近:
アイリス様……
1.1.3. 黒の町
1.1.3.1. Story 3-1大地の人々
商人:
さあさあ見てって!
こんなご時世だが、
暗い顔してちゃ始まらない!
小麦に果物、 酒もあるよ!
どこよりも安くて上質だ!
さあさあ見てって見てって!
兵士:
しっ。
商人:
ん?
兵士たちを引き連れた美女が、 |
商人:
いまのは……?
兵士:
黒の姫、 グローザ様だ。
商人:
ああ、 灰緑の魔障の!
噂に違わぬ美しさだねぇ!
兵士:
おい、 不敬だぞ。
王の後継者を輩出する、
公爵家のご令嬢だ。
人と魔性、
どちらからも高貴な血を
受け継いでいらっしゃる。
商人:
ずいぶん不満顔だったが、
何かあったのかねぇ?
兵士:
オヤジ……あんた、
怖いもの知らずだな……
商人:
これくらいじゃなきゃ、
いまの時代、 仕入れもなにも
出来やしないさ。
兵士:
遠征するという噂だ。
商人:
へぇ。 白の王国との
決戦を目前にして?
兵士:
おい、 その話、 誰に聞いた?
商人:
みんな言ってるさ。
しかし不思議なもんだな。
グローザ様は
雷の使い手だって話なのに。
戦力を分散してる
場合じゃないと思うけどねぇ。
兵士:
そんなこと俺にはわからん。
商人:
後継者の件で揉めたのかねぇ?
兵士:
そこまでだ。 これ以上は、
聞かなかったフリも苦しい。
オヤジ、 りんごを一個だ。
商人:
へい、 まいど!
1.1.3.2. Quest 3-1泥に生きる国
1.1.3.3. Quest 3-2魔の地の暮らし
1.1.3.4. Story 3-2闇の王
ヴアルアス:
…………
黒の王国、 王宮─── |
緊張した面持ちで、 |
魔物隊長:
…… 暗黒騎士ヴァルアス殿。
陛下はいつお戻りになるのか。
ヴァルアス:
聞いてどうする?
魔物隊長:
申し上げたい儀がある。
ヴァルアス:
なんだ?
魔物隊長:
此度の出兵でも、
犠牲となったのは我が眷属ばかり。
言わせてもらう。
これ以上、 無益な戦を
続けるべきではない。
黒の民は、
侵略するだけの蛮族ではないのだ!
ヴァルアス:
…………
魔物隊長:
聞いているのかヴァルア───!?
ヴァルアス:
つ! ?
<闇 >は見る間に濃くなり、 |
視界が通る程度に薄くなった時には、 |
ヴァルアス:
……!
闇の王:
…………
ヴァルアス:
……陛下自ら手を下すほどでは。
命じて下されば、 私が───! ?
!?
魔物兵:
そっ、 そんな…… ! ?
う、うわぁああああ……! ?
ヴァルアス:
……っ……!
<闇 >は広間を埋め尽くし─── |
見通しが良くなった。 |
ヴァルアス:
……陛下……
闇の王:
何故、 天など在るか。
全ての空間は無の<{{#DAA520 闇 }}}>へ帰する。
光の差す隙間など、
途上の幻想に過ぎぬ。
黒く塗り潰せ。
地も、 天も、 何もかも……
ヴァルアス:
…… 陛下の望むままに。
ですが、 兵力を失するのは、
得策ではないかと……
闇の王:
<闇 >に恭順するは、 黒の者の使命。
ヴァルアス:
…… 仰せの通りにございます。
闇の王:
白は天に…… 黒は地に……
居並ぶ意味などどこにもない。
我は安らぎとなるだろう。
あらゆる場所が、
黒く塗りつぶされたその時に。
そのためには、
空に住まう半端な存在を
叩き落とさねばならぬ。
ヴァルアス:
はっ。
闇の王:
…… だが、 その前に……
ヴァルアス:
世界の<我儘 >……バール……
闇の王:
そうだ。
我が後継者…… 役に立ててやれ。
次の代など、 もはや意味を成さぬ。
ヴァルアス:
…………
1.1.4. 飛行島戦艦
1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼
1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して
───時は少し遡り─── |
???:
まったく……この任務の
肩身の狭さ、
ご理解頂きたいもんだがね。
特使…… なんて言ったところで。
戦争中の敵国なんだぜ。
馬鹿げた話さ……
ワリを食うのはいつだって末端だ。
白の方も、 その点、
おんなじなんだろ─な。
見ろよ…… 優雅にブカブカ
浮いてやがるが……
なんのことはねぇ。
住民たちは、 結局二本の脚で
あそこを歩いてるんだぜ。
どこに争う理由があるってんだ?
先に馬鹿だって気づいた方が、
やめちまえばいいんだろうが……
……やれやれ、 だが、 仕事だ。
文句垂れてちゃ生きちゃいけねぇ。
王の意向は絶対でござい、 と……
さあ、 もうすぐだ。
罵声を浴びに行こうや。
………… |
1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空
1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り
白の王宮、 始祖のルーンの間 |
アイリス:
……始祖のルーンよ……
我らに、 ご加護を……
───始祖のルーン─── |
この世界が天と地、 |
───代々の<光の王 >に、 |
アイリス:
……弱気になっちゃダメ……
…… 今は、 私が王なんだから……
私がなんとかしなくちゃ……
シーマ:
そうしていると、 <光の王 >より
<白の巫女 >の名の方が
しっくりきますね。
あまりご自分を責めませぬよう。
無理なこととは存じていますが。
アイリス:
シーマさん……
シーマ:
さん、 なんかよしてください。
あなたが王ではないですか、
アイリス様。
アイリス:
そうですけど……
いいじゃないですか。
シーマさんは、 私にとって、
大切な姉のような方です。
共に、 修練に励んで……
シーマ:
そしてあなたが勝ったわ。
アイリス:
それは……
シーマ:
恨んでいるわけじゃないのよ。
仕方のないことだもの。
客観視すればあなたの方が適任だわ。
アイリス:
…………
シーマ:
ねえ、 覚えてる?
アイリス:
え?
シーマ:
先代の<光の王 >のこと。
アイリス:
……いいえ。
シーマ:
不思議よね……
あなたが王位に就く前に、
いらっしゃったことだけは
覚えているのだけど……
はっきりとしたことは
思い出せないの。 姿は? 声は?
会っていたはずなのに。
アイリス:
私、 なんとなくわかるんです。
シーマ:
へえ?
アイリス:
蓄積は必要ないんです。
<均衡 >を保つためには。
常に同じ状態であれば
いいのですから。
シーマ:
始祖のルーンが教えてくれるの?
アイリス:
そう…… ですね。
シーマ:
そ。
なら、 私には知りようもないけど、
そう言うのならそうなのでしょうね。
ただ、 少し哀れだわ。
アイリス:
哀れ?
シーマ:
ええ。 <王 >という存在が。
役目を終えれば、
後継者にすら忘れられるなんて。
アイリス:
私は平気です。
とうに、 覚悟しています。
シーマ:
でも、 哀れよ。
私のような一般市民の
目からすればね。
アイリス:
…… かもしれませんね。
シーマ:
あら、 こんなことを言いに来た
わけじゃないの。 あなたを
探して呼びに来たんだったわ。
アイリス様。
黒の王国より、 使者が。
アイリス:
わかりました。
シーマ:
宣戦布告をしておいて、
どの面下げて、 と思いますけどね。
アイリス:
いいえ、 それは違います。
黒の王国も、 民は同じ……
ただ…… <王 >が暴走し、
破滅へと連れ回しているだけ……
シーマ:
そうかしら。
アイリス:
<闇の王 >が次の代となれば、
再び<均衡 >は守られるでしょう。
シーマ:
そのときあなたは
忘れ去られているかも
しれないわよ?
幾度も<闇の王 >を退けた、
その功績も、 誰の記憶にも
残っていないかも。
アイリス:
構いません。
平和な未来が来るのならば。
シーマ:
そう……
いい子ね。
アイリス:
そんな……
シーマ:
じゃあ、 そろそろ向かって
くれるかしら?
アイリス:
あ、 はい。
……?
シーマ:
どうしたの? ほら、早く。
アイリス:
あ、はい……
(……何かしら……?)
1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲
1.1.4.6. Story 4-3黒の使い
ファイオス:
───黒の使いか。
???:
入国の通達は届いているかと。
王の書状もここに。
ファイオス:
…………
???:
敵意はない。
剣を降ろされよ。
ファイオス:
どの口がほざくか。
???:
貴公の感情は理解出来る。
しかし私も、 ただ、 使いの身。
また、 ここで追い返す権限も、
貴公にはないはずだ。
ファイオス:
急に暴れた。
だから斬った。
それを疑う者はいない。
???:
<光の王>もか。
ファイオス:
王に危険が迫らぬよう、
お守りするのが騎士の務め。
???:
そんなに目を吊り上げないでくれ。
……そうそう。
俺は独り言が趣味でな。 ファイオス:
家でやれ。 土壁は音も吸うだろう。
???:
戦争になんの意味がある。
やめちまえばいいんだ。
ファイオス:
貴様らから仕掛けたのだろうが。
???:
ウチはトップが狂ってやがる。
なのに、 誰一人逆らえやしねぇ。
それもそのはずだ。
<始祖のルーン >……
地にはそれがない代わりに、
王がハソ丿モ丿なんだからな。
ファイオス:
…………
???:
大半の国民は、
気にしちゃいねえかもしれねぇ。
自分たちの未来が、
トップの意思で勝手に決まる。
それはそういうもんかもしれねぇ。
ファイオス:
何が言いたい。
???:
だが、 俺たち軍属は違う。
戦争なんざ、 したくねぇ。
ファイオス:
ここで愚痴るより、
国に戻って進言したらどうだ。
???:
そうすりゃ…… コレよ。
男は親指で、 |
ファイオス:
命惜しさに愚行に手を貸すか、
これだから黒の民は……
???:
まったくもって同感だぜ。
早く代替わり
してもらいたいもんだ。
ファイオス:
……ほう。
???:
知っての通り、 これまでの
<闇の王 >は違った。
内心どう思ってたか知らねえが……
大人しく、 地上だけに
留まってたって話だろ?
ファイオス:
俺もそう聞いてはいる。
???:
俺もそうさ。 なら、 きっと事実だ。
まあ、 詳しいことは、
なんでか覚えちゃいねえんだが……
ファイオス:
…………
???:
ともかく、 辛抱してりゃあ
いずれ別人が王になる。
そのときのために……
俺たちが仲良くすることは、
無駄じゃないと思うがね?
ファイオス:
知らん。 俺はただの騎士だ。
???:
えーっ。
ファイオス:
なんだよ?
???:
あんた、 さっきの言葉、 言葉!
主を正しい方向に導くのも、
臣下の務めだろ?
ファイオス:
貴様は出来ないことを、
俺にはやれというのか。
???:
あんたにゃ出来そうだからさ。
ファイオス:
…… ふん。
お前、名は?
アデル:
アデル。
ファイオス:
アデル。 斬り捨てるのは
保留にしてやる。
黒の民には珍しく、
お前は物がわかりそうだ。
アデル:
珍しくはねえんだけどな。
ファイオス:
ここで待て。
しかるべき手続きをしてやる。
アデル:
へっ……
思った通りだ。
誰だっておんなじさ。
どこで生まれたかなんて……
1.1.5. 白の町
1.1.5.1. Story 5-1珍しい者
アデル:
……言葉を返してやりたいね。
てめぇの方が、 よっぽど
珍しいじゃねえか。
子供の声:
あー、 悪魔だー!
母親の声:
しっ、 見ちゃいけません。
アデル:
おやおや……偏見だねえ。
国民の意識改革は、
どちらにとっても重要課題……
……ってトコだな。
ファイオス:
何をぶつぶつ言っている。
特使サマだろ、 行儀良くしろ。
アデル:
言ったろ、 趣味なのさ、
独り言がよ。
ファイオス:
いまのもそうか?
アデル:
はっ。
騎士団長ファイオス殿、
ご同行、 感謝いたします。
ファイオス:
……我らの先導は
王城の入り口まで。
そこで待て。
迎えの者を寄越す。
アデル:
それでよいのですか?
ファイオス:
<光の王 >が、
騎士より弱いとでも?
アデル:
愚問でした。
ファイオス:
その言葉づかいも、
正式ではないからな。
帰りはいつだ?
アデル:
交渉に滞りなくば今日にでも。
と、言いたいところですが、
いずれにしろ細部の折衝に、
数日はかかるでしょう。
色よい返事がもらえぬのなら、
説得させて頂きたく思いますし。
ファイオス:
迷惑な話だ。
アデル:
重々承知ではございますが。
ファイオス:
騎士の宿舎も近い。
様子を見に来るぞ。
アデル:
騎士団長殿に、
自由に特使サマと会う権限が?
ファイオス:
許可を得ればいいのだろうが。
いつまでしゃべっている。
アデル:
ここで待て、 と。
ファイオス:
……着いていたか。
いいか、 妙な気を起こすなよ。
生きて帰りたくばな。
アデル:
はい。
ファイオス:
ふん。
アデル:
…………
1.1.5.2. Quest 5-1正義なる国
1.1.5.3. Quest 5-2疑念なき民
クリア条件: ボスグループ_1.1.5.4. Story 5-2光の謁見
側近:
こちらでお待ちください。
アデル:
はっ。
側近:
…………
アデル:
( おうおう、 目が物語ってやがる)
( 『 汚らわしい黒の民は、 、 か)
( それが窓口の態度かよ)
側近:
……特使など……
わざわざ王が会うほどの……
アデル:
…………
側近:
……ごほん。
アデル:
( おめぇらが無能だから、 王が
引っ張り出されてんだろうか)
側近:
…………
アデル:
……!
…………
アイリス:
お待たせしました。
アデル:
…………
側近:
特使殿?
アデル
!
……黒の王国より参りました、
アデル・バダンテールと申します。
王に代わり参上した無礼、
どうかご容赦ください。
アイリス:
書状、 読みました。
アデル:
はっ。
アイリス:
現在、 白の王国と黒の王国は、
決して良好な関係ではありません。
それどころか、
いずれかを滅ぼすところまで、
進んでしまいかねないでしょう。
アデル:
おっしゃる通りです。
アイリス:
なのに…… 盟約を?
アデル:
古来より、 敵の敵は
味方とは言わぬまでも、
共闘は可能とされております。
アイリス:
……確かに、 <あれ >は、
きまぐれのようにこの国へ赴き、
いたずらに害を為します。
ですが───破壊の化身、
バールを討ち取ったのち───
<闇の王 >の矛先が向くのは、
ここを置いてありません。
アデル:
当代のままであれば。
アイリス:
…………
アデル:
黒の王国としては、
白の王国との、 末永くの
<均衡 >を望んでいます。
側近:
お言葉ですが、
それは<闇の王 >のご意向か?
アデル:
はい。
側近:
矛盾しておられるように思うが?
アデル:
私に計れるような
お方ではありませぬゆえ。
ただ、 そうと。
側近:
俄かには信じがたい話だ……
アデル:
いかがでしょう?
<光の王 >アイリス様?
アイリス:
…………
アデル:
また………私が把握している限り、
王の在位は、相当の年数に
達しております。
……ですので……
アイリス:
…………
信用しましょう。
側近:
アイリス様!?
アイリス:
国の代表としての、その言葉を。
アデル:
はっ。
側近:
……ぬうう……!
1.1.6. 天地の狭間
1.1.6.1. Story 6-1<均衡>を破壊する者
ヴァルアス:
───我が剣よ───
───虚空よりいでよ!
くらええッ!!
───ほの暗く燃ゆるような |
バール:
───ハハハハハハハハ……!
どうした、小僧?
儂と遊んで欲しいのか?
ヴァルアス:
くっ.....!?
在るだけで |
ヴァルアス:
なっ.....!?
バール:
そう焦るなよ。
すぐに小僧の番は来る。
くくくく……!
お気遣い、ありがたく
頂戴しよう……!
よくぞ儂のために、
これだけの玩具を
そろえてくれた……さて───
撫でてやらんとなぁ!!
よどんだ空を埋め尽くしていた |
指の一振り、翼のはためき、 |
バール:
ハハハハハ……
いい子いい子……!
ヴァルアス:
馬鹿な……!
あれだけの数を、易々と……!
そんな芸当、<光の王 >にも……!
おのれぇええ……!
バール:
悪いが、次の玩具を頂けるかな?
ヴァルアス:
ふざけるなっ!
バール:
なんなら、小僧───
───貴様でも構わんぞ!?
ヴァルアス:
ぉぉぉぉおおおおお───!
バール:
……ん?
部下を逃がすとは、
随分お優しいことだな?
いっそ白に染まればどうだ?
儂の暴れる手間も省ける。
闇の王:
…………
世界の<我儘 >よ───
バール:
あぁ?なんだそれは?
闇の王:
<均衡 >を拒む貴様に、
これ以上の名はなかろう。
バール:
ま、好きに呼べ。
竜だ神だと言われるのも、
気に入ってはおらん。
ただ、貴様に
名づけてもらうというのも───
───気に入らんがなぁ!?
闇の王:
それは良かった。
貴様の気分が
良くなることなど───
一つとしてやるつもりはない!
<闇 >が膨張する! |
如何なる物をも通さぬ黒が、 |
バール:
笑わせる! 下等な本能めがっ!
1.1.6.2. Story 6-2未来への捕縛
バール:
大言吐いた割にはだなぁ!?
闇の王:
貴様ぁ……!
バール:
<均衡 >の片割れ、<闇 >よ───
消えてなくなれ───!?
なんだぁ!? これはぁ!?
アイリスの声:
KARIDA、 LUX。BLAN、 LUCEM-BOOM ……
この、一度きり……
バール:
うぬぬぬぬぬ……!
闇の王:
惜しかったな、バールよ!
バール:
小癪な、雑魚ども……!
うぉおおおおおおお───!
……くくくくくく……!
嘆かわしい限りだなぁ……?
<闇 >よ!下賤な本能よ!
'''一握りの誇りすら捨てたか!
都合のいいときだけ、
<光 >と手を結び……
無意味な<均衡 >に縋るか!
闇の王:
喚いていろ。
貴様はこれで終わりだ。
我が焦熱の監獄……
<タルタロス >の底で、
永劫、 苦しむがいい。
バール:
永劫、 だと? なぜ消さぬ?
闇の王:
…………
バール:
……ああ、 いい、 いい。
答えなぞわかりきっている。
では──また、 な。
闇の王:
惜しかったな…… <我儘 >よ……
この僅かな<傾き >こそ───
───我の道───
1.1.7. 白の王宮
1.1.7.1. story 7-1感謝の意
アデル:
───この度は、
盟約を果たしてくださり、
感謝の言葉もありません。
アイリス:
私が貸したのは、剣の一振り。
……黒の民には、 多くの被害が……
アデル:
黒の王国にいるのは、
大きく分けて、 二つの民。
すなわち、 人か、 魔か。
魔の者はより濃く、
<闇 >に依存します。
アイリス様が心を痛めることでは。
アイリス:
それでも、 全ての者が
<闇の王 >に従っているわけでは
ないと、 あなたは言いました。
清きソウルと生まれ変わることを
祈ります。
側近:
何も、 そこまで……。
アデル:
もったいなきお言葉……
黒の民にありながら、
これほどの誉れはありません。
アイリス:
あなたも言ったではありませんか。
同じく<均衡 >を
願うのであれば……
白も黒も同じ。
側近:
……アイリス様……
アデル:
お暇を告げなければなりません。
アイリス:
このような盟約であれば、
以降も願います。
アデル:
いいえ、これきりでございます。
アイリス:
……?
アデル:
<均衡 >は、 この世の<理 >……
確かに、 全ての生命が
守るべきものでございます。
しかし余力で良い。
余裕なき者からは、 頭上を飛び交う
関わりのないルールです。
側近:
アデル殿?
アデル:
白の民は結構でしょう。
潤沢なソウルに
<始祖のルーン >の恩恵、
豊かな暮らしが約束されています。
しかし地を這う我らは違う。
頭上には天空大陸。
なぜ永遠に影の中なのか。
アイリス:
それが天と地、
白と黒の<均衡 >を保つ、
世のはじめよりの<理 >なのです。
アデル:
ハハッ。
アイリス:
───!
アデル:
ですから同じではないのですよ。
<理 >などというものは所詮───
─── 強者に都合の良い呪縛!
瞬間! |
アイリス:
…… くっ……!
アデル:
同情ありがとう───
───だが、 いらん!
地に堕ちてから物を言え!
アイリス:
──!!
アイリス:
……!?
………… |
<黒の少年>:
……っ……
アイリス:
……?
<黒の少年>:
…………
……黑はっ……
ファイオス:
'''王を守れ!
アイリス:
'''!!
ファイオス:
蛮族めっ……!
貴様らは人ではないっ!
アイリス:
待って───
側近:
ファイオス! その者を捕らえよ!
アイリス:
───!
ファイオス:
黒のやり口はよくわかった…… !
わずかでも心を許した、
……俺が馬鹿だった!!!
そっちがそのつもりならば!
地上ごと消し去ってくれる!
<黒の少年>:
……っ……!
アイリス:
……待って……
……その人は……
1.1.7.2. Story- 7-2いつかあの子が
ファイオス:
クソッ…… !
白と黒とが交わるなど……
俺が馬鹿だった!
クソッ、 クソォッ……!
シーマ:
……お兄様……
…… 良かったではありませんか。
未然に、 防いだのでしょう?
ファイオス:
良いものかっ!
テオ:
ひぃっ! ?
シーマ:
お兄様。
ファイオス:
…… すまない。
だが…… シーマ、 テオ。
俺はわからなくなったのだ。
シーマ:
わからなくなった?
ファイオス:
<均衡 >とは対立なのか?
ならば騎士団は、
永遠に戦い続ける定めなのか?
…… ならば、 王も……
シーマ:
…………
テオ:
…………
……永遠なんて、
経験したことないもののこと。
心配してもしょうがないよ。
シーマ:
テオ! ?
テオ:
永遠なんて、
そんなの誰が生きたのさ。
シーマ:
純粋な白の民は、
<忘れてしまえば >
寿命なんてないのよ?
テオ:
だからって、 先の話さ。
本当にそうかなんて、
誰にもわからないじゃないか。
僕、 今日隣の子とケンカしたけど。
そんなの、 永遠になんか
続かないやい。
それと同じことが、
大人には出来ないの?
ファイオス:
…………
ソーマ
…………
ファイオス:
いまにわかる……
テオ:
そんなの聞きたくないね!
ファイオス:
俺だって言いたくないさ。
テオ:
じゃあ言わなければいいじゃない。
大人の方が、 我慢は得意でしょ?
'''いつまでもケンカのことを
ひきずってると、
兄ちゃん怒るじゃないか!
ファイオス:
…………
シーマ:
……お兄様……ファイオス:
……テオならば……
そんな時代にすることも
出来るのかもしれない……
そう思った。
シーマ:
ええ…… 優しい子ですもの……
ファイオス:
…… だが、 俺は……
シーマ:
テオの言葉、 覚えておきましょう。
すぐにはできなくとも。
我々には使命があります。
迷ってもいけません。
ファイオス:
…… そうだな……
シーマ:
あまり遅くまで
過ごされませんよう。
それでは……
ファイオス:
…… 使命、 か……
…… そうだな……
……俺の苦悩など……
アイリス様には、
及びもつかないだろう。
俺はただ…… 守ればいい……
命を賭して…… アイリス様を……
1.1.7.3. Story 7-3気高き白猫
側近:
面目ありません……
あの者の真意、
見抜くべきでした……
アイリス
…………
側近:
ファイオスが駆けつけねば、
どうなっていたことか……
アイリス
…………
側近:
狡猾な相手です。
バールを倒した直後の、
一瞬の間隙を狙うとは───
聞いていらっしゃいますか?
アイリス:
え! ?
側近:
おいたわしゃ……
そこまで疲弊されながら、
あのような者の相手を……
アイリス:
い、 いいえ……
側近:
表には警護の騎士がいます。
ゆっくりとお休みなさぃますよう。
アイリス
…………
───<始祖のルーン >は、 |
アイリス:
黒は地に、 白は天に……
<均衡 >を等しく守る者同士が、
なぜ争い合うのでしょう……
……<始祖のルーン >よ……
天と地で、 憎しみ合うことが、
それが<理 >なのだとしたら……
……ずっとは、 無理かもしれません。
私には…… 全ての憎悪の
上に、 立つことなんか……
…… とても……
アイリス:
……!
白の巫女…… 光の王よ…… |
決断せねばなりません。 |
私たちが、 守るべきものは─── |
アイリス:
守るべき…… もの……?
アイリス:
!!
1.1.8. 黒の市街地
1.1.8.1. Story 8-1泥にまみれた黒猫
<黒の少年>:
……っ……
捕縛され、 投獄されたときに |
<黒の少年>:
…………
どうして、 あの時……
#White光の王───守ったのか。
|
白との親交を深める。 |
だが…… 自分が知らぬうちに。 |
遂行させることが、 |
<黒の少年>:
…… わからない……
あのとき、 自分は……
何を、 選んだ…… ?
泥で汚れた、 |
っ! ?
<黒の少年>:
……白い…… 猫……?
白猫:
…………
<黒の少年>:
どこから…… ?
! 鍵が…… ! ?
牢獄が、 夢の中の出来事ように |
<黒の少年>:
呼んでるのか……? だけど……
一瞬の逡巡ののちに、 |
<黒の少年>:
……行ってみよう。
1.1.8.2. Story 8-2 <約束>
白猫:
…………
<黒の少年>:
見張りの一人もいない……
…… まさか…… ?
白猫:
…………
<黒の少年>:
逃がしてくれようと
しているのか…… ?
共に来たアデルの行いは、 |
このままでは自分は、 |
<黒の少年>:
…… ここで終わるわけには
いかない……
牢番たちには悪いけど……
………… |
白猫:
…………
不思議な白猫は、 |
白猫:
…………
<黒の少年>:
!?
<黒の少年>:
白の……!?
アイリス:
……ここは……?
<黒の少年>:
!!
白猫から変じた少女は、 |
思わず手を差し伸べ、 |
<黒の少年>:
……っ……!
アイリス:
…………
こうして、手を取り合えば──
<黒の少年>:
……?
アイリス:
支え合える、 のに……
<黒の少年>:
…………
謁見で見たときの、 |
<黒の少年>:
…………
アイリス:
光だけでは、 ない……
世界には闇もあり……
安らぎを与えるのは、
どちらも同じ……
…… なのに……
控え目に支えた肩は、 |
自然と、 ポツりと言葉が漏れる。 |
<黒の少年>:
───守る───
アイリス:
え……?
聞き取られなかったことに、 |
<黒の少年>:
自分の願いも、 同じ……
黒も白も……
みんなが、 幸せになるなら───
───泥の中からでも。
あなたを…… 支えるから……
その道を…… 進ませて欲しい…… !
アイリス:
…………
少女の肩に手を置いたまま、 |
<黒の少年>:
───自分は<闇の王 >の後継者。
…… 黒の王子です。
アイリス:
ええ……感じていました……
<黒の王子>:
必ずや、 王の座を継ぎます。
二人で、 この世界に、
平和をもたらしましょう。
<約束 >します。
アイリス:
…… ありがとう……
<黒の王子>:
…… いいえ……
アイリス:
白は光、 黒は闇……
天と地……
己のいるべき場所で、
互いに支え合いましょう。
───<約束 >です───
<黒の王子>:
……ええ。 それまでは───
アイリス:
決して───
強い意志の込められた瞳 |
それはほんの少しだけ、 |
避けていた── |
兵士:
……向こう……影が……
しかし、 それ以上に |
<黒の王子>:
……行かなければ。
感謝します。 自分のために。
アイリス:
私のことなら、 大丈夫ですから。
<黒の王子>:
…… 待っていてください。
その時まで。
アイリス:
……はい。
<黒の王子>:
…………
( 君は……
…… 一人ではないから…… )
アイリス:
白と黒は、 交わらず……
両端で釣り合い、
<均衡 >をもたらす……
……きっと、守ります。
あなたとの───<約束 >を───
1.1.9. 黒の大地
1.1.9.1. Story 9-1剣士の心
───黒の王子が白の王国から戻り |
<闇の王 >は、 |
際限のない<膨張 >は、 |
まるで<循環 >を、 拒むかのように─── |
<effect 広がる闇>
ヴァルアス:
───それまで。
<黒の王子>:
……っふ〜……!
ヴァルアス:
特使の任から戻られてから……
決意が新たになりましたかな。
<黒の王子>:
ヴァルアス。
ヴァルアス:
なんでしょう。
<黒の王子>:
……正しいのだろうか。ヴァルアス:
…… なにがです?
<黒の王子>:
最も濃い、 黒の者が、王となり、 国を導く……
ヴァルアス:
…………
この国において、 <王 >とは、
闇なる力の根源でありますれば。
その意思に従うは、
古来よりのならいでございます。
<黒の王子>:
それが<理 >、 か……ヴァルアス:
……滅多なことを
お考えになられてはなりません。
<闇 >が包み込むのは、
存在そのもの。 善も悪も全て。
<闇 >とは、 決して晴れては
ならぬもの。 場のある限り、
広がり続けてゆくもの。
それがこの世が生まれてよりの、
真理でございます。
<黒の王子>:
それに問うた者はいないのだろうか。ヴァルアス:
と言いますと…… ?
<黒の王子>:
黒と白…… 光と闇の在り方は……
いまのままが正しいと、
誰が言い切ることが
出来るのだろう。
ヴァルアス:
陛下もまた、 それをお考えに
なられているのかもしれません。
<黒の王子>:
……そうだろうか…… 滅ぼし、 征服することは、
それよりも悪い形ではないのか。
ヴァルアス:
…………
<黒の王子>:
全てが黒く染まれば、
世界中に安寧がもたらされる……
そんなもの……
まやかしじゃないのか…… ?
ヴァルアス:
…………
そこから先を考え、 導き、
結果を示すのが王の役目
予測で未来を批判することは、
私の職分ではありません。
<黒の王子>:
わかっている。
ヴァルアス:
ならば今はまだ、
己を鍛えることに注力すべきかと。
あなた様の世が来ましたら……
自分の信ずる道のために、
私をお使いくださいませ。
<黒の王子>:
ありがとう、 ヴァルアス。
ヴァルアス:
さあ、 感謝するには早いですぞ。
剣の腕でも、 私を越えて
頂きませんと。
<黒の王子>:
ああ……
──それよりほどなくして── |
──暗黒騎士ヴァルアスは、 |
1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行
1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり
一瞬の共闘により、 |
予想通り、 白の王国は |
回数を増すごとに、 |
───討たれるのは、 |
───次が最後の決戦に |
<光の王 >アイリスは、 |
白の民は、 |
なぜなら<始祖のルーン >の |
───自分たちには<光の王 >が |
だが…… <均衡 >は、 |
わずかずつ……黒の側へ…… |
………… |
…… |
ファイオス:
大事な物はまとめたか?
テオ:
うん!
鉢植えは…… 断念したけど……
種を持ってくよ!
シーマ:
そう。 今度はどこで育つかしらね。
テオ:
何言ってんのさ!
もう一度白の王国で
咲かせてみせるよ!
シーマ:
あら、 ごめんなさい。
それが一番よね。
ファイオス:
……テオ。 次の戦は、
白の王国全体が
戦場になる可能性がある。
そうなったら……
テオ:
逃げる!
シーマ:
どこへ?
テオ:
海へ?
シーマ:
どうやって?
テオ:
距離は相当あるけど、
魔法があれば……
ファイオス:
それは最後の最後だ。
安全な場所に、 隠れているんだ。
テオ:
安全な場所なんか、
どこにあるってのさ!
───とか言って、
兄ちゃんと姉ちゃんを
困らせるようなことはしないよ!
シーマ:
いい子よ……
テオ:
うん! 兄ちゃんたちも、
負けそうになったら、 逃げなよ!
ファイオス:
兄ちゃんは負けないさ。
テオ:
負けないとさ、 逆にいつまでも
一人で戦っちゃうでしょ?
だから、 そうなったら!
ファイオス:
…… うーん。 賢くなったなぁ……
テオ:
へへっ、 こんなときに、 よせやいっ。
ファイオス:
わざとらしく
鼻を人差し指でこするな。
褒めたと思ったらこれだ。
テオ:
ちぇっ、 なんだよなんだよ!
褒めたり叱ったり忙しいなぁ!
ファイオス:
だからさあ。
テオ:
へへへ…… ! 大丈夫だよ!
白の王国は、 絶対負けないもん!
なんたって、 <光の王 >
アイリス様がいるもんね!
ファイオス:
ああ…… そうだ。
アイリス様を信じる限り、
白は…… 負けないさ…… !
テオ:
うん!
シーマ:
ええ…… きっと…… !
ファイオス:
( 信じているぞ───アイリス)
( 誓おう。 この命、
最後の一欠けらが
燃え尽きる、 その瞬間まで───)
( 俺は一歩も引かず!
お前のことを、
守り続けてみせる! )
信ずるのは |
決戦を前にして、 |
1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆
1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張
1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者
???
───あまねし精霊と
妖精の力を束ね───
───宝冠へと紡がれし物よ。
ここに<在れ >───
アランティア:
祝福をありがとうございます。
<智の賢者 >殿。
智の賢者:
礼なんて。 僕はそれを<識る >
プロセスを認めただけに過ぎない。
作ったのはあなたたちだよ。
アランティア:
はい。
……この宝冠さえあれば、
<闇の王 >にも……
智の賢者:
フム。 忘れてた。
アランティア:
え?
智の賢者:
名をつけなければ。
アランティア:
名を与えれば、 どうなります?
智の賢者:
一般的に考えれば、
人格が宿るだろうね。
なんでもいいかな? いいよね?
じゃあ僕がパパっと───
アランティア:
お、 お待ちください!
それを織りなす精霊たちも、
もとは人格を得ておりました。
名は、 その中から
代表を選び、
つける…… ということでは?
智の賢者:
ワム。
その方が理に叶ってるかもね。
アランティア:
( ……ほっ……)
智の賢者:
そうそう、 あとね。
宝冠がその真価を発揮するために、
条件を課しといたよ。
アランティア:
その条件とは?
智の賢者:
王が授けることさ。
アランティア:
王が…… ?
智の賢者:
そんな制約でもなければ、
奪われちゃってもコトだろう?
アランティア:
…… お気遣い、 感謝します……
( 智の賢者の深慮遠謀……
……と、いうことだろう…… )
智の賢者:
まあ他にもあるんだけど。
アランティア:
え?
智の賢者:
いやなんでもない。
では、 僕はこれで。
アランティア:
どちらへ?
智の賢者:
片方に加担しすぎるのも、
僕にはあまりよろしくなくてね。
<認識 >には善も悪もない。
今度はあちら側へ。
アランティア:
おやめください!
<闇の王 >は、 あなたを
血眼になって探しております!
智の賢者:
おやおや。
そんな大層なモノじゃ
ないんだけどなあ。
アランティア:
捕えられれば、
ただでは済みませんぞ!
智の賢者:
それはわかるのだけどね。
まあ、 なんというかな。
倫理観も価値観も、
僕と君たちとは違うんじゃ
ないかなぁ。
まあ、 ソウルの結晶である、
妖精族や精霊族とは
比較的近いのかもしれないけど……
それでもやっぱり、
根本的に違うんだと思うよ。
アランティア:
ワケのわからぬことを
おっしゃらずに!
このまま、 白の王国に留まり、
我らをお導きください。
智の賢者:
じゃあなおのこと、
ここにはいられないね。
アランティア:
なぜです! ?
智の賢者:
導くとかは、 ね。
僕の存在意義としては、
多分真っ向から反するから。
アランティア:
い、 如何なる理由で! ?
智の賢者:
話せば長くなる。
でも一言で終わらせよう。
僕はただの、 <認識 >だから。
アランティア:
……!?!?
智の賢者:
フム。 わかってくれとは
言わないさ。 では、 失礼。
アランティア:
ち、 智の賢者様……!
………… |
…… |
智の賢者:
…… なんて。
偉そうに言ってたのに、
やっぱり投獄されちゃったねぇ。
まあ、 そこからは、
こうしてさっさと
抜け出したわけだけども。
トントン、 かなあ。
白にも黒にも
言い分はあるんだよね。
僕が一方に加担するのは……
してもいいんだけど、
まだ今じゃないものなあ。
さて……
…………
退屈になってしまったなぁ。
うーん。
元の世界の事象を
一つ一つたぐって紐にして……
そうだな…… その紐で……
靴を履こう!
やあ、 これは名案だ!
1.1.10. 黒の市街地
Quest10-1開戦の気配1.1.10.1. Story 10-1黒の王子
アイリス:
───この一戦で───
───決する───!
……<始祖のルーン >よ!
白の王国に生きる者、
全てに、 力を───
<闇 >を払う光を与えたまえ!
ファイオス:
───行くぞ! これが最後だっ!
シーマ:
はい、お兄さま!
空が重たくなったかと |
白の王国と<均衡 >の |
………… |
…… |
一方───その頃、 黒の王国─── |
商人:
さあさあ見てって!
白との決戦はさておき!
そのあとの時代を
生きぬくにゃあ、
食うもの食わなきゃ始まらない!
小麦が無理でも芋ならどうだい?
ヨソではまず手に入らないよ!
さあさあ見てって見てって!
<黒の王子>:
…………
商人:
どうだいそこのお兄さ…… ! ?
……って、 あんた! ?
黒の王子様じゃないのかい! ?
どうしてこんなとこに! ?
<黒の王子>:
自分でも不思議…… いや、
不審なんだ。
商人:
グローザ様といい、
王子様まで戦力から
外すってのは……
…… 王子様!
まさか、 叛逆でも! ?
<黒の王子>:
はは、 そんなことは……
…… いや、 どうだろうな……
商人:
おだやかじゃないですな!
もし王子様の世になったら、
税をもう少し軽くお願いしますよ!
<黒の王子>:
ははは、 覚えておくよ。
商人:
しかし、 供の者もつけずに、
市場を散策ですかい?
こりゃまたどういったワケで?
<黒の王子>:
特には…… ただ、
民の暮らしを、 この目で見たくて
商人:
どうぞどうぞ!
ムサくるしいトコですが、
こんなもんならいくらでも!
<黒の王子>:
やはり、 生活は厳しいのか?
商人:
まあ、 兵隊さんたちは
もっと大変でしょうからね。
<黒の王子>:
いや、 本当に辛いのは、
それを支える人たちだよ。
商人:
もったいないお言葉で。
ですが存外、 あたしらは
普段と変わりもしないですよ。
勝てば、 楽になるんでしょう?
だったらそれまでの
辛抱ってだけでさぁね!
<黒の王子>:
そうだな…… 楽になればね……
商人
なるでしょう?
天にも領土が増えるってことだ。
<黒の王子>:
そんな簡単なことでは
ないと思うけど……
商人:
それもそうか。
白の王国の名産物なんか、
聞いたこともないものなぁ。
連中、 何食ってんですかね?
味がしねぇ草とか?
<黒の王子>:
普通だよ。
…… まあ、 ちょっと
薄味だった気はするけど。
商人:
そりゃあいけねぇ!
塩ですよ、 塩!
塩のあるなしが戦争の要!
こりゃもう勝ったも同然ですなぁ!
<黒の王子>:
ははは……
少女:
あ一つ! あのひと、 知ってる一!
知ってる──! おうじさまだ──!
少女:
おうじさま! こんにちは──!
<黒の王子>:
こんにちは。
商人:
こらこら、 まとわりつくなって。
王子様、 お忙しいんだぞ?
<黒の王子>:
そんなことはないよ。
おいで。
少女:
わーい!
少年:
ねえねえ! 戦争、 勝つー!?
商人:
こら、 そんな言葉づかいは!
<黒の王子>:
別にいいって。 というか、
人のこと言えたっけ?
商人:
これは失敬……
少年:
ぜったい勝ってねー!
少女:
お母さん言ってたよ!
そらのしま、 おせんたくに
じゃまだって!
勝ったらお母さん、
よろこぶよね!
きっと勝ってねー!
<黒の王子>:
……ああ、 きっと勝つよ……
魔物兵:
王子。 よろしいでしょうか。
商人:
なんだいあんたたちは?
人の店の前で、
何も買いもしないで?
魔物兵:
りんごを三つだ。 これでいいな?
商人:
へい、 まいど! お代は……
魔物兵:
王宮にツケておけ。
商人:
な、 それはないって!
少女:
この兵士さんたち…… 怖い……
少年:
やるか─!?
魔物兵:
やらん。 用があるのは王子だ。
ご足労、 願えますな?
<黒の王子>:
用件は?
魔物兵:
ただ、 お呼びせよとだけ。
<黒の王子>:
…………
商人:
…… なんで、 こんな、
殺気立ってるんです…… ?
<黒の王子>:
……さあな……
ごめんよ、
もっと遊びたかったんだけど、
もう行かなくっちゃ。
少女:
えー! ?
商人:
…… 大丈夫なんですかい?
少年:
どうしておうじさまを!?
やるかー、 こらー!
魔物兵:
やらん。
が、
あと一度言ったら、 やるぞ。
少年:
!!
<黒の王子>:
……行くしかないさ。
商人:
…… ご無事で……
<黒の王子>:
ありがとう。
行こう。
魔物兵:
恐れ入ります。
丁寧な言葉とは裏腹に、 |
魔物兵:
王子をお連れしろ!
<黒の王子>:
…………
1.1.10.2. Quest 10-2連行
1.1.10.3. Story 10-2後継者
<黒の王子>:
! ? お前はっ……! ?
アデル:
ひでぇじゃねえか。
何もぶった斬るこたねえだろ。
仲間だと思ってたんだがなぁ?
<黒の王子>:
……呆気なさすぎる
とは思っていた…… !
アデル:
たりめぇだろ。
俺だって後継者の一人だ。
それも───
おめぇよりも遥かに、
<魔 >に寄った、 な…… !
<黒の王子>:
……どういうつもりだった……
アデル:
あ?
<黒の王子>:
なぜ、 <
#DAA520光の王
>を狙った! ?アデル:
それが王の望み
ひいては黒の王国の意思だろ?
何言ってやがんだ?
むしろてめえが
なんで止めたんだよ?
───と、 言いてえとこだが、
実はあれで良かったんだよ。
<黒の王子>:
なに……?
アデル:
<光の王 >ったって。
実態はタダの小娘さ。
ああやって揺さぶってきゃあ
すぐに迷いが生まれる。
そしたら屁でもねぇ。
同じくらいの力を持つ者同士が
やりあえば、 折れねえ方が
勝つのが道理さ。
<黒の王子>:
…… それも、 王の策略か…… !
アデル:
馬鹿にしすぎなんだよ、
どいつもこいつも、 陛下を。
より大きく生きようってする
本能があるからこそ、
智恵が生まれたんだろうが。
馬鹿なのは、
馬鹿にしてるおめーらさ。
<黒の王子>:
…… よくわかった…… !
だからこの場で粛清しようと!
アデル:
この状況で
まだわかんねえアホがいるか。
イキがんなや。
ま、でも…… アレだな。
暗黒騎士のアホなんかも、
このことは知らねえがな。
<黒の王子>:
なんだと…… ! ?
アデル:
俺は王の思考がよくわかる。
<闇 >にどっぷりだからな。
もしかすると、 俺を生んだのが
そもそも王かもしれねぇ。
まぁんなこたどうでもいい。
おめぇやグローザを遠ざけたのも、
白に転ぶ危険性があったからよ。
<黒の王子>:
白に……?
アデル:
比喩表現だ、 本気にすんなパーカ。
ちょっと使い辛ぇって
だけの話だろーが。
つっても、 誤解すんなよ。
<闇の王 >が本気になりゃあ、
てめぇなんぞただの小石だ。
───聡明なあの方は、
それにも油断しねぇって
だけのことなんだよ!
<黒の王子>:
!!
アデル:
もういいだろ! ? やんぞぉ!
<黒の王子>:
……思い通りにさせるか…… !
<黒の王子>:
お前らのやり方は、
間違っているっ──!
1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも
1.1.10.5. Story 10-3導き
<黒の王子>:
うぉおおおおおおおっ──!
アデル:
つ!!
裂帛の気合とともに |
…… 悪く思うな……
……もう、 こうするしか……
……く……くくくく……!
<黒の王子>:
……?
アデル:
こんなわかりやすく、
逆転出来るわけぇえだろ……
<黒の王子>:
なに…… ?
アデル:
なんで俺が一人なんだよ、
明らか時間稼ぎじゃねーか。
<黒の王子>:
!!
アデル:
戦力の大部分は空にある。
当然、 <闇の王 >も。
光が揺らいだ白の王国なんざ
いつまでもつ? いや、
いつまでたってもたねーね。
王が始祖のルーンを
取り込めば、
全ての空間が黒く染まる……
<均衡 >が崩れる…… となりゃあ、
この世はオシマイさ。
誰一人、 生き残りやしねーよ。
白も、 黒も、 ぜーんぶ、 な……
<黒の王子>:
なんだと…… ! ?
<闇の王 >は、 天を征服し
全てを安息の闇に包もうと
していたんじゃないのか! ?
アデル:
その説得力について、
考えたことねー奴を
本当のウスラ馬鹿野郎と呼ぶ。
じゃ……
一足先に、 行ってるぜ……
アンソクの闇の中にな……
皮肉めいた笑顔を残し、 |
<黒の王子>:
……くっ……!
光遠ざけたのは、
こういうことか……
天は高く、 白の王国は、 遠い。 |
<黒の王子>:
白だけじゃなく、
黒も…… ! 全てを
滅ぼそうだなんて…… !
じゃあ、 信じていた民たちは
'''一体なんだったんだよ! ?
王だからって!
たった一人に、
そんな権利が有るわけないだろ!
…… 対策は打たれていた。 |
ヴァルアスをはじめとする、 |
───いつか並び立とうと誓った、 |
<黒の王子>:
……<闇の王 >め……!
光誰も手の届かない空の上で……
全ての命のこれからを!
'''勝手に決める気なのかよ!!!
いくら叫ぼうとも、 |
<黒の王子>:
……くそっ…… !
こんな地の底からは、
届かない、 間に合わないっ…… !
がっくりと、膝を突いた─── |
───その時─── |
<黒の王子>:
!!
力が───!?
一体、どこから……?
それはまるで…… |
そこから流れ込んでくるような、 |
──それと── |
???:
…………
<黒の王子>:
……!?
誰……?
???:
…………
<黒の王子>:
……?
いや……今は、 それより……!
#White───力が発現する───
|
<黒の王子>:
この力が……あれば……!
誰よりも、 何よりも速く、 |
その力は─── |
<黒の王子>:
間に合ってくれ……!
───アイリス───!
黒の王子としてのものか…… |
#DAA520それとも、 また別の何かの───
||1.1.11. はるか天空
1.1.11.1. Story11-1 世界の両端
騎士:
───王宮へ! 早く!
じき、 ここも戦場になります!
闇の軍勢め…… !
神聖なる白の大陸で、
'''好き放題しおって…… !
───! ?
お……おぉぉォオオオオオッ!!
女性:
!!
別の騎士:
うぉおっ!!
大丈夫ですか!?
女性:
い、 いまのは……?
別の騎士:
<闇 >め…… !
白の騎士をも、
染めるほどに…… 濃く…… !
シーマ:
───魔道士隊! 連鎖詠唱!
はっ!
シーマ:
顕現せよ…… !
七つの力がうちの一つ、
<破壊 >の鎌───
───刈り取れ!
シーマの率いる魔道士隊が、 |
シーマ:
続けて援護!
騎士たちの周囲に結界を!
はっ!
魔道士たちは詠唱の声を合わせ、 |
シーマ:
七つの力がうちの一つ、
<慈愛 >の檻───!
<wipe black>
ファイオス:
───はぁああああっ!!
皆!一歩も引くな!
俺たちが、
アイリス様の最後の盾だっ!
ヴァルアス:
…… 威勢のいい奴がいるな。
ファイオス:
……貴様は?
ヴァルアス:
暗黒騎士ヴァルアス。
相手にとって不足なしと見た。
手合せ願えるかな?
ファイオス:
ほう。 俺のカオも知らず、
よく言うものだ。
俺は、 光の騎士団長ファイオス。
王の盾であり、 そして剣。
ここから先へは行かせんッ!
ヴァルアス:
ふ───来いっ!
貴様の名を、
武でもってこの私に
焼きつかせてみせろっ!
───立ち昇れ!
<ほの暗く燃ゆるもの>よっ!
暗黒騎士の手にした刃が、 |
<fade out>
<fade in>
───天を舞う、白の大陸─── |
───そのさらに上空で、 |
闇の王:
眼下はずいぶん賑やかに
なってきたなぁ?
───よいのか?
貴様一人、 悠々と
空を飛んでいて?
───<光の王 >よ?
アイリス:
重要なのは
あなたの位置する座標。
それと、 私がいるところ。
そこが── 運命を決める場所…… !
闇の王:
結構なこと。
我ら以外の争いなど、
所詮は真似事に過ぎぬ。
<均衡 >の両端にいるのは、
それぞれ一人きり───
───我と、貴様だ───
アイリス:
ええ。 決着をつけましょう。
闇の王:
何度目だったか忘れたが……
我に勝てるつもりか?
アイリス:
いままであなたは勝っていた?
いつも退いていたようだけど
闇の王:
そう怯えるな。
!
闇の王:
伸びてゆくほど痩せ細り、
やがては消える<光 >とは違う。
我は、 <闇 >───
意味するのは無限の膨張……
時と共に力を増すのはどちらか、
自明の理……
アイリス:
そうかしら?
闇の王:
だからこそ、 代替わりなどという
制約があった。
それを知らぬとは言わせぬ。
我は、 <循環 >を拒みし、
<唯一無二の闇の王 >───
───永遠に力を増し!
全ての場所、 全ての空間を!
<闇 >より<黒く >!
塗り潰してくれるわ!
アイリス:
永遠、 だなんて……
<理 >に抗いし者よ!
この世界から…… 消え去れ!
1.1.11.2. Quest11-1 総力戦
1.1.11.3. Ouest11-2 全面戦争
1.1.11.4. Story11-2 七つの力
騎士A:
───うっ!?
騎士B:
あぁアアアア!?
魔道兵:
<闇 >の侵食、
抑えきれませんっ! ?
シーマ:
<慈愛 >の檻がっ…… !
…… それならっ…… !
<fade out white fade in>
覆せ…… !
七つの力がうちの一つ…… !
+3<{{{#DAA520 流動 }}}>───!
眩いルーンの光が、 |
魔道兵:
やった! さすがシーマ様!
シーマ:
!?
魔道兵:
そんなっ!?
シーマ:
なぜ……! どうして……!
払えない……!
<始祖のルーン >よ!
いま、 この瞬間!
'''<ここ >に力を注がなくて
どうするのよっ───! ! !
<effect: Wipe>
うぉおおおおっ!!!
くっ……!
…… 貴様の太刀筋は、
馬鹿正直だな。
ファイオス:
そう思うのなら
いなせばよかろう?
ヴァルアス:
何がそれを支える?
ファイオス:
無論、 王への忠義。
ヴァルアス:
ならば同じで──
──貴様の負けだ。
ファイオス:
なんだと……?
ヴァルアス:
個人への心酔など、
陽炎のようなもの。
揺れれば容易く掻き消える。
ファイオス:
見解の相違だ。
位への盲信は───
───主の破滅を招く!
一人の人間として
信ずるからこそ!
想いが力を引き出す!
<event effect ヴァルアスの闇の力>
ヴァルアス:
…… 贅沢を抜かすな。
ファイオス:
なんだと?
ヴァルアス:
───光の民よ!
だから貴様らは、
惰弱だと言うのだっ!
肥沃な地、 手を取り合う民、
聡明なる王───
───恵まれた剣で!
全てが都合よく守れるかっ!!
ファイオス:
くっ……!?
ヴァルアス:
騎士ファイオスよ。
その名、 いつまでも
覚えておこう。
愚かな弱者としてな!
ファイオス:
──不幸を誇るかッ!!!
<Fade out white><Fade in, BG black>
アイリス:
……っ!
<event 闇の王、Wipe black 広がる闇>
アイリス:
言の葉よ、 白き力の鍵となり、
ルーンの輝きを解き放て───
<※x〇■!&$…………>
KARIDA,LUX,BLAN,LUCEM……
太陽を覆い隠していた |
闇の王:
まだ耐えるかっ…… !
アイリス:
強がりを…… !
あなたはここで、
このまま消し去るっ!
闇の王:
…… いいのか?
<始祖のルーン >の力を、
独占していて?
アイリス:
……っ……!
闇の王:
我の切れ端を侮るな。
貴様の愛する民から先に、
<闇 >に染めてくれる……!
アイリス:
…… その手には乗らない…… !
<均衡 >が乱れたままでは、
いずれにせよ同じこと…… ! 全てを投げ打ってでも、
あなただけは、
ここから逃さない!
太陽を覆い隠していた |
闇の王:
我も同感だ。
民も<全て >のうち。
アイリス:
……あなたとは違うっ!
闇の王:
同じだ。
アイリス:
違うっ!
闇の王:
恨まれる。
アイリス:
そうだとしても…… 構わない!
再び釣り合うこと…… !
それが、 未来を残す、
たった一つの方法!
闇の王:
甘いな……!
<中間 >を狙う貴様と
<転覆 >で勝利する我では───
───帰趨は見えている!
アイリス:
いいえ……! それでもっ……!
1.1.12. 始祖のルーンの問
1.1.12.1. Quest 12-1光の劣勢
1.1.12.2. Story 12-1大いなる始祖のルーン
闇の王:
───ハハハハハ……!
アイリス:
ううっ……!
闇の王:
バールが言っていたな。
『大言を』 …… と。
不可能を語る者が敗北する!
痛感しろ!
これこそが<理 >だっ!
───あぁっ!?
極限まで密度を増した、 |
<光の王 >が堕ちる。 |
闇の王:
……くくく……ついに……!
───などと、 勝ち誇るかっ!
<光の王 >め、
小細工を弄すかっ!
<始祖のルーン >の
元へは行かせん!
凝結した巨大な闇の塊が、 |
シーマ:
七つの力がうちの一つ、
<慈愛 >の光よ───
───傷つき倒れし戦士を救えっ!
シーマ:
どうして…… どうしてっ! ?
あなたは無限だったんじゃなかったの! ?
何が<始祖のルーン >よ!
光り輝きなさいよぉっ! ?
魔道兵:
もはや…… !
シーマ:
……!
シーマ:
いいえ! まだよ!
弱音を吐くのは早いっ!
詠唱で動かないんなら、
ぶっ叩いてやるっ!
魔道兵:
!! シーマ様! あれを!
シーマ:
!!
落下してきたアイリスが、 |
アイリス:
ふふ…… シーマさん……
シーマ:
アイリス!?
アイリス:
聞こえました、
あなたの啖呵……
さすがですね……
シーマ:
! あ、 アイリス様!
そんなことより!
<始祖のルーン >は……!
アイリス:
忘れましたか?
まだ、手はあります。
シーマ:
……まだ……?
!!
七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車!
アイリス:
それに全てを注ぎ込めば……
シーマ:
魔道士隊! 集まって!
魔道兵:
はっ!
シーマの声に応じて、 |
足をひきずり、 肩を貸し合い、 |
シーマ:
これで、全員です。
アイリス:
……はい……
シーマ:
しっかりしなさい!
まだ呆ける時じゃない!
アイリス:
ええ…… !
魔道士たちの輪の中心で、 |
アイリス:
───七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車よ───
シーマ:
───七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車よ───
アイリス:
我はその巡りに異を唱える……
───辿るべき真実の道を示せ───
シーマ:
……これは……?
アイリス:
…………
シーマ:
何も……変わらないっ……!
滅びは、 避けられないの! ?
アイリス
……<約束 >……
シーマ:
ねえ、アイリス!?
魔道兵:
う、うわぁああああっ!?
闇の王:
<運命 >か───無駄なことを───
その程度で変わるほど、
浅い歴史で企んではおらぬ!
シーマ:
そ、そんな……!
アイリス:
……こうなったら……
シーマ:
……!
……す~……ふ~……!
まだ、 あるのですね?
<光の王 >として、 抗う手段が?
アイリス:
ですが……
シーマ:
行きなさい!
アイリス:
それには……
シーマ:
迷っている場合ですか! ?
<光の王 >の使命は! ?
私は全てを託す!
この命も! あなたに!
アイリス:
!!
シーマ:
だから、早く!
アイリス:
シーマさん……ありがとう……!
闇の王:
醜いぞ…… いつまで足掻く……!
滅びの定めを受け入れよ!
シーマ:
うるさい!
闇の王:
…………
……面白い……!
シーマ:
───え?
シーマ:
あぁぁあああああああっ!?
魔道兵:
シーマ様っ!?
闇の王:
くくく…… 悪い癖が
出てしまったではないか……
『 戯れ』 、 だ……!
1.1.12.3. Quest 12-2 それぞれの願う者
1.1.12.4. Story 12-2 使命の懐疑
アイリス:
……はぁ……はぁ……!
<始祖のルーン >は、 |
アイリス:
…………
ひざまずき───祈る─── |
アイリス:
<始祖のルーン >よ……
私には、 守ることが
出来ませんでした……
白の王国を───
───黒と白の<均衡 >を───
…………
……嘘になっちゃったね……
あなたを───待って───
平和な世界を、作って───
どんなだっただろうね……
…………
頬を一滴、 伝ったものを─── |
───王は毅然と払う。 |
アイリス:
私の全てが通じなかった今、
<闇 >を食い止めるには───
───もう、これしかないから───
<黒の王子>:
───うぉおおおおっ!!!
そこをどけぇええええっ!
一直線に貫き、 到達する力─── |
黒く尾を引き、 天を翔ける。 |
<黒の王子>:
( 速く……! もっと速く! )
光に近づいていく中───
脳裏に、 微かに響く───
……ぅ…… |
……がぅ…… |
<黒の王子>:
( ……そうだ……!)
間違っている!
何がなのかは、 わからない。 |
ただ、 激しく感じたのは、 歪み。 |
どこから間違っていたのか? |
それとも─── |
<黒の王子>:
( 最初から……
正しいことなんて…… )
決まっていなかったとしたら…… |
<理 >とは…… なんのため───? |
<黒の王子>:
いまは、まだ、わからない……
……でも!
わからないから!
問わなきゃいけないじゃないかっ!
<黒の王子>:
邪魔をしないでくれっ!!!
<黒の王子>:
……すまない……!
悪しきは何なのか──?
それがわからないのは──
信じるべきものの中に、
何かが混じっている…… から……?
<黒の王子>:
くそっ! もっと速くだっ!
いまここで! 横にいなきゃ
何のための約束なんだ!
アイリスを!守るんだっ!
1.1.12.5. Story 12-3 〜序章〜闇の猫と光の猫
1.1.12.6. Quest 12-3 神話の終わり
1.1.12.7. Story 12-4 はじまりの罪
───それは<闇の王 >の |
<光の王 >アイリスは、 |
アイリス:
白の時代は、
これで───おしまい───
アイリス:
それでも、世界は
<均衡 >を保ち───
アイリス:
存在しなくてはいかないから───
アイリス:
───私は、 罪を冒します
だから、 お願い───
<始祖のルーン >よ───
秘められし全てを解き放ち───
アイリス:
<闇 >を───
アイリス:
……<黒 >を……!
───封じて───!
<黒の王子>:
───!!
アイリス:
!
アイリス:
そんな───
アイリス:
ごめん……なさい───
───さよなら、 約束の人───
アイリスゥゥゥゥゥッ───!!!!
闇の王:
おのれ…… ! まさか、
<始祖のルーン >ごと、
天空大陸ごと…… !
闇の王:
我に喰らわせるとは…… !
闇の王:
───だが───
闇の王:
あとほんの少し───
闇の王:
───足りなかったなぁ! ?
!!
闇の王:
な───!?
<黒の王子>:
…………
闇の王:
き……貴様ぁあああああっ……!
<黒の王子>:
共に滅ぼう。
それが───彼女の望み───!
消えろぉおおおおおお───!
闇の王:
う…… おぉおおおおお───!
おのれぇえええええええ……!
<黒の王子>:
(さようなら──)
<黒の王子>:
(アイリス)
───闇の王とその後継者は、 |
───だが─── |
───決して消えることなく─── |
───眠りにつき─── |
───歴史の周期点で─── |
………… |
───なぜなら─── |
───止めなければならない! |
悲劇の連鎖を───! |
1.2. CHRONICLE
1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~
1.1. NORMAL
2. 思い出1.1.1. 白の王国辺縁部
1.2. CHRONICLE1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち
1.1.2. 白王宮周辺1.1.3. 黒の町1.1.4. 飛行島戦艦1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り 1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲1.1.4.6. Story 4-3黒の使い
1.1.5. 白の町1.1.6. 天地の狭間1.1.7. 白の王宮1.1.8. 黒の市街地1.1.9. 黒の大地1.1.9.1. Story 9-1剣士の心1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者
1.1.10. 黒の市街地1.1.10.1. Story 10-1黒の王子1.1.10.2. Quest 10-2連行1.1.10.3. Story 10-2後継者1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも1.1.10.5. Story 10-3導き
1.1.11. はるか天空1.1.12. 始祖のルーンの問1.2.1. 白の王国辺縁部1.2.2. 白の王宮周辺
1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠
1.2.3. 黒の町1.2.4. 飛行島戦艦1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び1.2.4.5. Story 4-2真の隊長
1.2.5. 白の町1.2.6. 天地の狭間1.2.7. 白の王宮1.2.7.1. Story7-1 不思議な人1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから
1.2.8. 白の監獄1.2.9. 黒の大地1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い1.2.9.2. Story9-1 家族として1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠
1.2.10. 黒の市街地1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民1.2.10.4. Quest 10-3徴発1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢
1.2.11. はるか天空1.2.11.1. Story 11-1持つてる子1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽
1.2.12. 始祖のルーンの問1.2.1. 白の王国辺縁部
1.2.1.1. Story 1-1孤独の王
戦場へはいつも一人で着く。 |
王宮ではみんなに囲まれ…… |
王は、 私だから。 |
<始祖のルーン >の力、 |
一人しかいないから。 |
責任がある。 |
人々の命を守り、そして── |
───世界の形も、 |
そのために守るべきものが、 |
───命を賭して、 それを守る─── |
この天空に立つのが、 |
アイリス:
空が───軋む───
1.2.1.2. Quest 1-1光と風と
1.2.1.3. Quest 1-2増長する本能
1.2.1.4. Story- 1-2闇の膨張
アイリス:
───さっきまでの戦闘が嘘のよう。
空は青く、 澄み渡って───
───こんなに、 穏やかなのに……
…………
感じる……
<闇 >は地に在り、
そこで膨れている……
どうして…… ?
白も黒も、 世界の<均衡>を
保つために、 手を
取り合わなければならないのに……
あなたは…… 何を思って……
<理 >に背くの……?
1.2.2. 白の王宮周辺
1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ
テオ:
───ヘつ───
……っぷしょん!……
……あー、 なんだろ、 急に……
……まさか、 兄ちゃんに! ?
……ないない。
ただのハナムズだろってね。
アランティア:
何を一人で言っている?
テオ:
え?
アランティア:
私はアランティアという。
少年、 名前は?
テオ:
テオです! 初めまして。
アランティアさん。
アランティア:
初めまして。
その抱えているのは?
テオ:
鉢植えです!
なんか、 いままで置いておいた
場所だと、 うまくツボミが
花にならないみたいで……
アランティア:
ふむ…… その種は、
ルーンの影響を
色濃く受けているからな。
だが、 心配はない。
潤沢なソウルがあれば、
きちんと花開くはずだ。
テオ:
あ、 そうなんですね!
アランティア:
……だが、 おかしいな。
この白の王国の中は、
どこも豊潤なソウルで
満ち満ちているはずだが……
テオ:
アランティアさん! ありがとー!
アランティア:
……おやおや。 せっかちな少年だ。
……ふふふ……
しかし、 嬉しいものだな。
幼子が、 植物を
愛してくれるというのは……
大きく育てよ、 植物よ…… !
いつかは、 広大な森へと…… !
1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先
1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空
1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠
側近:
しかし、 精霊と妖精の宝冠とは……
そのような手がありましたとは……
アランティア:
我らはソウルが形を成した存在。
だからこそ可能でございます。
側近:
ですが、 アイリス様の
あのご様子では……
アランティア:
犠牲と捉え、 あまり良くは
思われていないのかも
しれませんな。
側近:
お優しい方ですからな……
優しすぎるほどに……
アランティア:
ええ……
側近:
強行するような発言をいたしました。
お許しくだされ。
アランティア:
わかっておりますとも。
側近:
ならばいま一つ、
質問をしてもよろしいでしょうか?
アランティア:
私に答えられることでしたら、
なんなりと。
側近:
妖精族と精霊族というのは、
どう……違うのでしたでしょうか?
アランティア:
そっ、 それを聞きますか! ?
側近:
お恥ずかしい……
アランティア:
まぁ…… 良いでしょう。
確かに、 明確に把握している者は
少ないかもしれませぬ。
極論、 同じです。
側近:
なんと。
アランティア:
先に申し上げました通り、
妖精族も精霊族も、
ともにソウルの化身。
強いて区別いたしますと、
精霊族の方が、
実体を持っていることが
少ないという違いはあります。
側近:
ふむ……
アランティア:
ですので、 宝冠と化す力の
主だった部分は、 精霊が
担うこととなりましょう。
妖精族は、 さらにその力を
増すための機能を
請け負うことになります。
側近:
なるほど……
アランティア:
ちなみにエルフ族は、
妖精族の方に
分類されるでしょう。
側近:
得心いたしましたぞ。
アランティア:
ただ、 今回の宝冠の儀は、
私が代表を務めさせて
頂く手筈となっております。
とりまとめ役として。
側近:
そうでございましたか。
その…… 宝冠となる精霊たちは、
決まっておられるのですか?
アランティア:
候補はおります。
一なる宝冠には、
炎の化身、 カジャ。
ニなる宝冠に、
水の現身、 オウスイ。
三なる宝冠には
雷の化現、 ライダスを。
側近:
おぉ…… それは心強い……
アランティア:
ご存じでございましたか。
側近:
その名くらいは。
しかし…… その三者は、
白の王国においても、
それぞれの元素を司る
重要な精霊では?
アランティア:
ですから意味があるのです。
ご心配には及びません。
精霊は、 潤沢なるソウルより
生まれ出ずる存在。
rいずれ、 代わりの精霊も
生まれてくることでありましょう。
側近:
……とはいえ……
……負けられませんな。
アランティア:
ええ。 そのために、
皆、 命を賭するのですから……
1.2.3. 黒の町
1.2.3.1. Story 3-1姫様はご機嫌ナナメ
グローザ:
…………
兵士:
…… グローザ様?
グローザ:
…………
疲れた。
兵士:
!! ぜ、 全体、 止まれ!
休息を取る!
兵士:
はっ!
グローザは、 瞬時に設置された |
グローザ:
…… まったく……
どうしてあたしがわざわざ! ?
辺境で暴走した魔獣の鎮圧なんか、
<ヴェガン >に
任せておけばいいでしょ?
こういうときのための
連中じゃないの?
兵士:
ごもっともなのですが……
グローザ:
なによ?
兵士:
ヴェガン族ばかりに任せることを、
よく思わない立場も……
グローザ:
わかってるわよ!
娘に諭すように
言わないでくれる! ?
兵士:
す、 すみません。
グローザ:
…… 面倒だこと!
どのみち、 王には
敵うはずがないところで、
権力争いなんかしたって!
兵士:
あ、 あまり大きな声で申されては……
グローザ:
誰が聞いてるってのよ! ?
前線から外された、
こんな辺鄙なところで!
兵士:
───魔物の襲撃!
!!お下がりください、
グローザ様!
グローザ:
はん。
主も忘れ、 見境なく
暴れるだけの魔獣に───
'''───このあたしが
遅れをとるわけないでしょ! ?'''
1.2.3.2. Quest 3-1魔性の地表
1.2.3.3. Quest 3-2荒れ地の魔獣
1.2.3.4. Story 3-2ほのかな思慕
グローザ:
黒コゲになれっ!
レヴォルト・エクレール!
兵士:
す、 すごい…… !
さすがは灰緑の魔障、 グローザ様!
グローザ:
おおげさ。
あんなはぐれ魔獣くらい───
!?
兵士:
しまった!
グローザ:
( くっ。。。。。。 ! 間に合わな───)
え…… ?
……!!
<黒の王子>:
大丈夫ですか?
グローザ:
え、ええ、はい、
もちろん……!
あ、いえ……
ありがとうございます……
<黒の王子>:
よかった。
グローザ:
あ、あの!
<黒の王子>:
?
グローザ:
黒の王子様は、
どうしてこんなところに?
<黒の王子>:
こんなところ……?
グローザ:
その、 黒の王国から遠く離れ、
どうしてこんな辺境に?
( …… ああ、 どうでもいいことを
聞いているかもしれない…… )
<黒の王子>:
……遠くもありませんが。
グローザ:
え?
<黒の王子>:
このあたりで、
いつもヴァルアスと
剣の稽古をしています。
たまたま見かけたので、
あいさつがてら…… と。
グローザ:
え! ? そ、 そうですね、
まだ全然王国の近くでしたね……
兵士:
…………
グローザ:
なんで言わないのよ!
兵士:
は、 はぁ! ?
グローザ:
こんなところで休んでどうするの!
目的地は、 もっとずっと
先でしょうが!
休憩やめ! 行軍再開よ!
兵士:
は、はいっ!
<黒の王子>:
やはり、 お急ぎなのですね。
では、 これで。
グローザ:
あっ……!
<黒の王子>:
また。
グローザ:
…………
兵士:
グローザ様!
グローザ:
…………
兵士:
グローザ様!
行軍再開の準備が整いました!
グローザ:
…………
兵士:
グローザ様? グローザ様!
グローザ:
うるさいわね!
兵士:
は、はいっ! すみませんっ!
グローザ:
……黒の王子様……
……はぁ……
1.2.4. 飛行島戦艦
1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた
兵士:
地面恋しや♪
兵士たち:
ほーやれほー♪
兵士:
ミミズ恋しや♪
兵士たち:
ほーやれほー♪
兵士:
ガキの作った♪
兵士たち:
おとーしあなー♪
兵士:
ハマってやるのが♪
兵士たち:
ちちーごころー♪
兵士たち:
やれ ほーやれほー♪
やれ ほーやれほー♪
兵士A:
なあ兄弟?
兵士B:
なんだ兄弟?
兵士A:
俺たちゃ何やってんだ?
兵士C:
決まってんだろ、 櫓を漕いでんだ。
兵士A:
空なのに?
兵士B:
空がなんだ。
兵士A:
水じゃねえのに?
兵士C:
ひゃっほー、 スカスカだぜー。
兵士A:
進んでんのかよコレ?
兵士C:
おお! あれはくだんの天空大陸!
兵士A:
嘘こけ! 窓もねえってのに!
兵士C:
恐ろしいうわさを聞いたんだ。
兵士A:
なんだ?
兵士C:
この戦艦の、 動力なんだが……
魔法らしいぜ……
兵士A:
まほーう!?
兵士B:
おい、 じゃあなんだ! ?
俺たちゃ何をやってんだ! ?
兵士C:
そこだぜ問題は!
兵士B:
まったくゆゆしき問題だぜ!
兵士A:
なんのためのほーやれほーだ!
兵士たち:
やれ ほーやれほー!
意味もないのに ほーやれほー!
隊長:
お前たちの番だぞ。 見張り。
兵士たち:
はっ!
隊長:
すげぇうるさかったんだが、
何を騒いでたんだ?
兵士A:
いえ!
ただの『 ごっこ遊び』 であります!
隊長:
そうか…… いや、 そうかじゃねえ。
仕事中だってことを
忘れんじゃねえ。
三人とも飯抜きだ。
兵士たち:
はっ!!!
1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き
1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足
1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び
1.2.4.5. Story 4-2真の隊長
兵士A:
さて…… 特使様、
無事に王宮に着いた頃かな?
兵士B:
いっときは、 斬り捨てられんじゃ
ねぇかって騒ぎだったが。
兵士C:
上手くやったんだろうぜ。
さすが後継者様は、 口も立つ。
隊長:
おまえらなぁ……
本当に仕事だって意識、
持ってるか?
兵士A:
はっ! 隊長、
よろしいでしょうか!
隊長:
なに?
兵士A:
名前でお呼びください!
兵士B:
私も同じことを思ってありました!
兵士C:
私の予想が確かならば、
無用なわかり辛さが
生まれているのではないかと!
隊長:
なにが?
だって、 俺、 三人の顔で
見分けつくけど?
兵士A:
隊長はそりゃそれで
いいんでしょうが!
兵士C:
世界には隊長だけが! ?
いや違う、 もっといます!
隊長:
そうだけども。
兵士B:
名前で呼んでくだしゃんせ!
隊長:
よしわかった!
言うこと聞かなかったら、
お前ら永遠にしゃべる気だな! ?
兵士A:
永遠などと!
兵士B:
誰が経験!
兵士C:
しりゃりょうか!
隊長:
うるさい!
名前で呼んでやる、
このスットコドッコイども!
兵士たち:
ウェーイ!
隊長:
お前はアチベー!
アチベー:
はっ!
隊長:
お前はバカセ!
バカセ:
はっ!
いやさすがになんかない!?
隊長:
うるさい!
残りのお前はしーちゃんだ!
しーちゃん:
アダナですが! ?
隊長:
やいやい抜かすな!
じゃあチャンシーだ、
おまえみたいなモンは!
アチペー:
あっしはアチのアチベーでんがな!
バカセ:
バカとはなんだ! 撤回しろ!
しーちゃん:
ちょっと女の子っぽく
なくなくない?
隊長:
静かにしろ!
めいめい、 己の名を
甘んじて受け入れんかーっ!
真の隊長:
…………
はっ! ?
真の隊長:
お前ら、 楽しそうだな。
兵士四人:
……は……
真の隊長:
掃除だ。 この飛行戦艦を、
隅から隅までピッカピカにするまで
帰ってくるな。
いいな?
兵士四人:
……はっ……
1.2.5. 白の町
1.2.5.1. Story 5-1似た者同士
ファイオス:
様子を見に来てやったぞ。
特使サマ。
アデル:
…………………… おう。
ファイオス:
なんだ? 何をしていた?
アデル:
なんもしちゃいねえさ。
<待ち >っつー時間を
持て余してただけだ。
ファイオス:
なんて態度と口の利き方だ。
アデル:
酒なんかが目に入らなきゃ、
俺もここまで崩れねえんだが。
ファイオス:
目ざとい男だ。
この部屋には一人か?
アデル:
ああ。 全員個室を与えられた。
用心深いことで。
ファイオス:
気兼ねしなくていいだろう。
羽でも伸ばせ。
アデル:
敵国のど真ん中で、 無理な話だろ?
ファイオス:
それを可能にするのが
コレだというワケだ。
アデル:
不良騎士団長だな?
ファイオス:
これも職務だ。
酔った特使がボロを出せば、
即座に斬って捨てるのさ
アデル:
そう言われて
出るポロだと思うかね?
ファイオス:
試してみなければわからん。
アデル:
よし。 その試みに、
俺も付き合ってやろう。
ファイオス:
何を偉そうに。
アデル:
まあ適当にくつろいでくれ。
アテはないがな。
騎士団長サマ、 部下に命じて
持ってこさせてくれよ?
ファイオス:
そこまで甘えるな。
アデル:
ちっ、 駄目か……
ファイオス:
ま、肴がなくなったら
すぐに帰るさ。
アデル:
俺の不満をダシに飲む気か。
いい性格してやがる。
ファイオス:
お前もな。
アデル:
ふん。 似てるなんざ、 思わねえぞ?
ファイオス:
何と何がだ?
アデル:
言ってろ。
1.2.5.2. Quest 5-1揺れる足取り
1.2.5.3. Quest 5-2回る天井
1.2.5.4. Story 5-2交流の効用
<黒の王子>:
…………
…… 隣には、 今夜も
あいつが来てるのかな?
すごいよなあ……
あんな風に、 誰とでも
すぐに打ち解けるのって。
そういうところは、
見習わなきゃな……
……それにしても……
───光の王───
……それが……
あんな……少女だなんて……
知ってはいたけど……
驚いたな……
…………
(……それに……)
( 気丈に振舞ってはいたけど…… )
( …… どこか…… )
…………
……並び立つことに、
なるのかな……
いずれ…… 受け継いだら……
…………
1.2.6. 天地の狭間
1.2.6.1. Story 6-1どうしてまだここに
アデル:
…………
<黒の王子>:
……!?
アデル:
よう。
どうした、 不思議そうなツラだな?
<黒の王子>:
…… なぜここに?
アデル:
ん~~~~~?
<黒の王子>:
盟約に従い、 <光の王 >は
既に出陣されたはず。
アデル:
知ってる。
<黒の王子>:
特使として、 見届ける義務が
あるんじゃないか?
アデル:
なら…… お前が行ったっていい。
そうだ、 お前、 行っとけ。
<黒の王子>:
どうして自分で行かない?
アデル:
行っても無駄だからさ。
<黒の王子>:
直接は戦わなくてもいい。
だが、 見届ける必要は───
アデル:
結果はわかってる。
バールは堕ちるさ。
<黒の王子>:
……どうしてわかる?
アデル:
そうなるように動いたからな。
もういいか? 俺は疲れてるんだ。
白の連中にだって、
ついて来いとは言われなかった。
それでも行く必要が?
<黒の王子>:
…………
アデル:
わかったわかった。
今からでも、 後を追うさ。
その方がいい気もしてきた。
じゃあな。
<黒の王子>:
! おい……?
…………
1.2.6.2. Quest 6-1白き回廊
1.2.6.3. Quest 6-2光の城郭
1.2.6.4. Story 6-2光の騎士団長
<黒の王子>:
…………
ファイオス:
……お前は。
たしか、 アデルと一緒にいた……
<黒の王子>:
騎士団長ファイオス殿?
どうしてここに?
ファイオス:
なにがだ。
<黒の王子>:
アイリス様に付き従わなくて
よいのですか?
ファイオス:
口を慎め。 貴様などが軽々しく
呼んでよい名ではない。
出てくるな。 部屋にいろ。
<黒の王子>:
バールは強敵です。 なのに、
一人で向かわれたのですか?
ファイオス:
……必死だな?
黒にとって、 あいつは
そこまで目障りということか?
<黒の王子>:
…………
ファイオス:
いいか貴様らのことを、
信用しているわけではない。
俺がここにいる理由はそれだ。
<黒の王子>:
……失礼いたしました。
ファイオス:
……それに……
アイリス様は、 お一人で
戦うことを望まれる……
<黒の王子>:
……?
ファイオスい:
いつまで聞いている。
部屋に戻れ!
<黒の王子>:
…… 一人で…
1.2.7. 白の王宮
1.2.7.1. Story7-1 不思議な人
───その人は、 |
最初からいたけれど、 |
でも、 とっても穏やかで、 |
おかしいと思った。 |
<闇の王 >の後継者であることは、 |
なのに…… 逆と言っていいほど、 |
こんな人が継げるのかな? |
もちろん、 何もかも…… |
話すこともなく、 |
だから───とても意外でもあった。 |
アデル:
地に堕ちてから物を言え!
豹変した使者が、 |
私は瞬間、 反応が遅れた。 |
そこへ─── |
今にして思えば─── |
とても素早い決断だったと思う。 |
そして、 私の方を見て─── |
<黒の王子>:
……黒はっ……
…… 辛そうにした。 |
………… |
私は…… |
知りたい…… そう、 聞いてみたい。 |
あのとき、 あなたは─── |
何を、 どう…… 決断したのか─── |
1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象
1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼
1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから
───途方に暮れることがある。 |
私が背負っているのは、 |
<光の王 >となって実感した、 |
ほつれていけば…… |
それほど絶対的な…… <理 >…… |
我ながら、 |
私は、 黒と戦えと命じながら─── |
───黒の存続にも加担している。 |
……いままでの歴史も、 |
黒と白は、 争いながら、 |
そうだと思いたくはない。 |
思いたくはないけど…… |
私には、 変えられない。 |
私一人では。 |
自分だけで出来るのは、 |
Quest 7-3決意の眼差し
1.2.8. 白の監獄
1.2.8.1. Story 8-1頭の整理
<黒の王子>:
……あのとき、 自分は……
何を言おうとしたんだろう……
……黒は。
…… 黒も…… そこに生きる
民たちは、 同じで……
ただ……王には、
従うよりほかないから……
……悪く…… 思わないで……
…………
……違うな。
あいつを斬った、
あの瞬間は───
ずっとずっと先の未来の……
……何かを……
……選んだ…… ような……
…………
───ダメだ。
上手く言葉にならない。
とにかく───
───謝るとかじゃない……
<光の王 >に伝えるべきことは……
……そういうことじゃなくて……
1.2.8.2. Quest 8-1穏やかな闇
1.2.8.3. Quest 8-2思索の森
1.2.8.4. Story 8-2密かな想い
────<光の王 >と |
夜陰に乗じ、 一目散に |
───白の王国を発った。 |
<黒の王子>:
…………
( アデルのことを……
誰も、 何も言わない…… )
( …… 知らなかったのは、
自分だけなのか…… ? )
( だったらどうして、
放っておく? )
( 戻ってから……
何かするつもりか…… ? )
…………
( <光の王 >────アイリス──── )
(あんなに細い肩に……
のしかかっているんだ…… )
(自分の国の民だけではない…… )
(この…… <世界 >が…… )
…………
(支えて……あげないと)
(王だからって、 一人で、
あんなに辛そうに
しなければならない
<世界 >なんて……)
……間違っている。
<黒の王子>:
…………
<黒の王子>:
( 待っていてくれ…… )
( いつか…… 隣へ行くから- )
1.2.9. 黒の大地
1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い
1.2.9.2. Story9-1 家族として
────白の王国・王宮──── |
アイリス:
…………
ファイオス:
…… アイリス様。
ずいぶん熱心に
祈られておられますが……
あまり根を詰め過ぎませぬよう。
黒との決戦が、 目前に
控えておりますので。
アイリス:
あ…… すいません。
騎士のあなたにまで
心配をかけてしまって……
ファイオス:
いえ。 王の警護が
我が職務でありますから。
アイリス:
ありがとうございます。
…… 本当に。
ありがとうございます、
ファイオスさん……
ファイオス:
お、 おやめ下さい。
アイリス:
お礼くらい言わせてください。
ファイオスさんには、
昔からお世話をかけっぱなしで。
ファイオス:
いえ、 こちらこそ。
妹がご面倒をおかけしました。
アイリス:
シーマさんにも、
とっても可愛がってもらいました。
感謝しています。
ファイオス:
もったいないお言葉。
……ウチのじゃじゃ馬が
喜びましょう。
アイリス:
じゃじゃ馬だなんて。
ファイオス:
誰に似たのか、
口より先に手が出るような
魔道士になってしまい……
……お恥ずかしい限り。
アイリス:
……ふふふ。
小さい頃は、 シーマさんに
よく怒られました。
ファイオス:
いまにして思えば、
なんと恐れ多い……
アイリス:
ファイオスさんにも。
ファイオス:
いまにして思えば、
なんと恐れ多い……
アイリス:
……ふふふ……♪
ファイオス:
僭越ながら、 我ら兄弟は、
アイリス様のことを、
王としてよりも
───家族として、
心より大事に思っております。
アイリス:
ありがとうございます。
ですから私も、 家族として。
心から、 お礼を言いたいんです。
ファイオス:
……はっ。
…… アイリス様には、
黒の者どもの、 指一本
触れさせません。
このファイオスの誇りにかけて。
アイリス:
ありがとうございます。
ファイオス:
礼を言い過ぎですよ。
アイリス:
ふふ、 そうですね。
ファイオス:
そろそろお休みください。
アイリス:
はい。では……
ファイオス:
……アイリス……様……
俺は、 最後の一人になろうとも、
あなたのために、
剣を振るい続けます。
……ご安心ください…… !
1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き
1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留
1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠
アイリス:
これが…… 精霊の宝冠……
アランティア:
はい。
宝冠と化した精霊は、
自ら所持者を選びます。
そしてその者に試練を課し、
それを克服した暁に、
途方もない力を与えるでしょう。
アイリス:
…………
アランティア:
重ね重ねとなりますが、
アイリス様が気に病むことは
何もありません。
むしろ、 誉れでありましょう。
選ばれし者に力を貸し、
平和のために戦うのですから。
アイリス
そう……ですね。
アランティア:
そしてもう一つ、 アイリス様。
宝冠の力を引き出すために、
お力添えをお願いいたします。
アイリス:
私に出来ることでしたら、
なんなりと。
アランティア:
選ばれただけでは、
宝冠の力の全てを
引き出すことは叶いません。
その者、 アイリス様の前に
現れたとき、 どうか、
お授けくださいませ。
白の祝福───光の道しるべを。
アイリス:
光の…… 道しるべ。
わかりました。
アランティア:
では、 最初の祝福を
お願いいたします。
さすれば宝冠は
永遠に朽ちることなく、
選ばれし者を待ち続けるでしょう。
アイリス:
はい。
正しき力は、 正しき者へ。
どうか、 いつまでも───
世界に安らぎが、ありますように。
1.2.10. 黒の市街地
1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響
1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人
少女:
おうじさま……
つれてかれちゃった……
少年:
くっそー! なんだよー!
やってもよかったんだぞー!
少女:
うそばっかり。 びびってたもん。
商人:
命拾いしたな、 ぼうず。
少年:
なんだよ、 偉そうにー!
おっさん、 大人なんだから、
もっとはむかえよなー! ?
商人:
大人だからこそ、
歯向かわないんだよ。
少年:
そんなのきベんだー!
商人:
お、 難しい言葉知ってるな。
少年:
おうじさま、
なにも悪いことしてないんだぞ!
なんで連れてかれるんだよ!
商人:
う〜ん……
少女:
…… もしかして、 見えないところで
悪いことしてた…… ?
少年:
なっ! ? そんなわけないよっ!
商人:
そうだなぁ……
王子様は、 何も悪いことは
していないが……
『ソレ』 を悪いことだと、
考えた人がいたのかもなぁ。
少年:
なんだよそれー! ?
きべんだー! そのにー!
少女:
その人って…… おーさま……?
商人:
しっ!!
少女:
!?
兵士:
…………
商人:
へへ…… どーも。
兵士:
…………
商人:
…… ふ〜……
どうなるかと思った……
少女:
いまの……?
商人:
おじょうちゃん。
いま、 この国は、
大きな戦争を控えている。
そうなってくると、
前は言えてたことが、
言えなくなったりもするんだよ。
少女:
…………
少年:
そんなのおかしい!
商人:
そうだな。 そう思うよ。
だから私も、 いつも
スレスレのことを
言うようにしてるんだが、 ね。
少年:
スレスレってなんだよ?
言いたいことがあるなら
はっきり言えばいいだろ!
商人:
だから、 それが難しいのが
今のご時世なのさ。
少年:
うぅぅぅ……!
商人:
ほら、 暗くなる前に帰んな。
少年:
……わかったよ! じゃあな!
少女:
ばいばい、 商人のおじさん……
商人:
ああ、 気をつけて……
1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民
1.2.10.4. Quest 10-3徴発
1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢
商人:
さあさあ見てって!
今日も今日とて大安売りだ!
芋やら野菜の切れっばしが、
赤字覚悟の大安売りだ!
まずは腹に詰め込んで!
未来のことはそれからだ!
さあさあ見てって見てって!
兵士:
おい。
商人:
おっ、 兵隊さんいらっしゃい!
入り用なのはどいつだい?
兵士:
入り用だと? ハッ。
商人:
へ?
兵士:
なんだこの品揃えは?
ガキのママゴトの方が
まだマシだぜ。
商人:
…… お言葉ですがね、 兵隊の旦那。
あたしらの商品は、
全部軍に供出したんだ。
あんたらのオマンマに
差し上げたんですよ。
そんな言い方ねえでしょう?
兵士:
ああ、 あのクソマズイメシの
原因は貴様かいい迷惑だ。
商人:
はぁ! ?
聞き捨てなりませんなぁ! ?
こっちは、 して欲しくもない
戦争を支えるために、
メシも食わずに協力してんだ。
あんたはどうしてここに?
どうせ、 たいした戦力にも
なりゃしないからでしょうなぁ!
兵士:
そうでもない、 まだまだ現役さ。
さて、
聞き捨てならんことを言ったな、
貴様。
商人:
……は! ?
兵士:
『 してほしくもない戦争』 だと?
よくそんなことが言えたものだ。
陛下御自ら最前線に
立たれているというのに、
貴様は、 黒の民として───
───恥ずかしくはないのか!
商人:
!!
兵士:
───こんなものか。
探せばまだまだいそうだがな。
行け!
商人:
どこに連れて行く気だ!#
兵士:
……なあ、 オヤジ。
今は戦時中だ。
それくらい理解できるな?
商人:
当たり前だろうが!
兵士:
いまから行くのは、 それを『 より』
理解できるところさ。
商人:
!!
兵士:
───行け!
商人:
…………
少年:
……おじちゃん……
少女:
…… うぅ……
1.2.11. はるか天空
1.2.11.1. Story 11-1持つてる子
テオ:
…… !
始まった…… !
……兄ちゃん…… 姉ちゃん…… !
がんばれ…… !
!!
!? う、うわぁあああああっ!
!!
あぶねー! なんだよもー!
僕じゃなかったらくらってたぞー!
くっそ……!
みんな戦ってるんだ……!
こうなったら、 イチかバチか……!
僕だって!
テオが集中すると、 |
テオ:
うう、 ソウルの流れが
めちゃくちゃだ…… !
早く…… !
!!
もうだめだ!? やっちゃえー!
魔物:
!?
テオから放たれたソウルは |
テオ:
…………
……ふぅ~……!
なんとかなったぁ……!
姉ちゃんたちから、
魔術を習ってて良かった…… !
あぶなかったぁ……
…… 僕、 持ってんのかなぁ…… !
1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争
1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界
1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽
シーマ:
あぁぁあああああああっ!?
うぅぅぅぅっ!?
<白の巫女 >……<光の王 >……
……アイリス……
うぐぅっ!?
…………
……なんでよ……
なんで私じゃなくて、
あいつが持っているの……?
私が欲しいものを───全てッ!
白の……巫女ォォオッ!
───はっ!?
魔道士:
大丈夫ですか、 シーマ様! ?
シーマ:
え、 ええ……私は……?
魔道士:
闇に呑まれ……!
シーマ:
……そう…… ふふ。
魔道士:
?
シーマ:
<闇の王 >も、
たいしたことないわね!
たかが魔道士一人、
黒く染めることも
できないだなんて!
魔道士:
おお! さすがはシーマ様です!
シーマ:
…… アイリス様は?
魔道士:
おそらく始祖のルーンの間に。
シーマ:
わかったわ。 私たちは、
引き続き、 市街地の魔物を
掃討する!
民たちのことは、
我らが守るのよッ!
魔道士:
はっ!
───しかし、 植え付けられた |
心の奥底にあった、 |
………… |
…… |
テオ:
……ダメだ、こんなの……!
くそぅ……
でも、あきらめないぞ……!
最後の一人になっても、
捕まらないからな!
いつまでだって逃げ続けてやる!
1.2.12. 始祖のルーンの問
1.2.12.1. Ouest- 12-1
1.2.12.2. Ouest- 12-2黒と白の決壊
1.2.12.3. Story 12-1彼方よりのつぶやき
???:
…………
……ちがう……
ちがうよ……!
あなたたちが願えば……
<理 >なんて…… !
白でも黒でもない、 |
小さな呟きが、 |
???:
悲しむために、
あるんじゃないの……
すれ違うために、
いるんじゃないの…… !
どうにか───しなきゃ───!
その声は…… どこかで…… |
……そう…… |
<光の王>───<白の巫女>だけが |
覚えられぬほど───微かに───! |
1.2.12.4. Ouest- 12-3悲劇の引き金
1.2.12.5. Story 12-2罪のはじまり
───その時─── |
シーマ:
……?
───まさか!?
自爆! ? 白の民は、 まだ───
テオ:
姉ちゃん!
シーマ:
テオ!? どうしてここに!?
!!!
───その日。 |
わずか三人を残し、 |
───その時─── |
ヴァルアス:
───なんだ! ? この振動は───
ファイオス:
うぉおおおおおおおっ!!!
ヴァルアス:
ぐぅあああああああっ!?
ファイオス:
はぁああああっ!!!
ヴァルアス:
き……さまぁ……!
ファイオス:
教えてやる。
貴様の王より、
俺の王の方が尊い───
その差だ。
ヴァルアス:
……おぉおおおおっ……!!!
重傷を負ったヴァルアスは、 |
ファイオス
逃げたか……
……アイリス様は
ご無事だろうか……
いま、 どちらに…… ?
!?
これは…… ! ?
<始祖のルーン >の輝き…… ! ?
───強すぎる! まさか…… !?
───なぜです!?
俺は勝った! なのに!
なぜ俺を待ってくださらない!
なぜ───────!!!
そのうちの一人、 ファイオスは───
瀕死の重傷を負いながらも、 |
閉じる寸前の<門 >をくぐった─── |
時間と座標が |
ファイオス:
…… なぜ……
望んでも死ねぬまま、 |
ファイオス:
待ってくれなかった……
五年なのか、 十年なのか、 |
ファイオス:
…… なぜ……
出口を許されぬ思考は、 |
ファイオス:
───アイリス───
そのうち、 男は。 |
とっくりと。 |
ファイオス:
…… くくくくくく…… !
狂った。 |
ファイオス:
…… あははははははは…… !
永き刻のうち変化が起こった。 |
視界を視界と認識したとき─── |
簒奪した。 |
それは、 その空間、 |
<混合>と───<分離>─── |
ファイオス:
───ぎゃははははは!
2. 思い出
2.1. 闇の王子
黒の少年
CV: 梶裕貴
闇の王子
2.1.1. 思い出1
───それはずっとずっと昔の、 |
───運命の歯車が、 |
???:
…………
───地は、 荒廃していた。 |
清浄なソウルに包まれた |
統べる<王 >はいるものの、 |
人々は、 <闇の王 >の元、 |
───辺境に住む民は、 |
???:
…………
男:
何をしている?
???:
……?
男:
このあたりに集落が
あったと聞いたが?
???:
…… なくなったよ。
男:
なくなった?
……ならお前は、
ここで何をしている?
???:
穴を掘っている。
男:
穴を…… ?
???:
いけないか。
男:
何の穴だ?
???:
魔獣に殺された人たちの。
男:
…… 親か。
???:
村にいた大人たちは、
みんなよくしてくれた。
男:
……そうか。
???:
……何か用?
男:
まだ掘るのか?
???:
近くの村も全部やられたから。
男:
小僧、 もうやめろ。
お前が先にのたれ死ぬぞ。
???:
そんなつもりはない。 ちゃんと寝てる。
男:
飯は。
???:
…………
男:
夜にまた来る。
???:
…………
泥塗れの黒髪が風に揺れる。 |
少年は一人、 |
2.1.2. 思い出2
男は宣言通り夜またやってきて、 |
男:
食え。
???:
どうして、 くれる?
男:
警戒するな。 気まぐれだ。
???:
…………
男:
お前、名前は?
???:
…………
男:
じゃあ好きに呼ばせてもらおう。
{黒の少年}
{主人公}:
…………
男:
気に入らんか? まあ、 いい。
いずれ、 別の呼ばれ方を
されることになるだろうさ。
{主人公}:
……?
男:
穴は掘り終わったか?
{主人公}:
まだだ。
男:
もう十分だろう?
{主人公}:
……もっと増える。
男:
…………
{主人公}:
なあ、 あんた。
この国は、 どうして
こんなに荒れてるんだ?
<闇の王 >というのが、
治めているんじゃないのか?
男:
なぜ知っている?
{主人公}:
みんな知っていた。
男:
そうか。
{主人公}:
だけど、 守ってはくれない、 と。
魔獣は危険なままだ。
男:
…………
{主人公}:
王は、 天が憎いのか?
男:
なぜそう思う?
{主人公}:
この大地を見ていないから。
ここに住む、 人々のことを
考えているとは思えないから。
男:
王には王の考えがあるさ。
{主人公}:
本当か? 本当に、
正しいことを、考えているのか?
男:
お前が思う正しいこととは?
{主人公}:
……みんなが幸せになること。
男:
浅いな。
{主人公}:
……だから穴を掘るのさ。
男:
……ほう……
また来る。
{主人公}:
好きにしなよ。
…………
2.1.3. 思い出3
男:
…………
{主人公}:
…………
よく飽きないな、 あんた。
スキアーズ:
スキアーズだ。
名乗ってなかったか?
{主人公}:
始めて聞いた。
スキアーズ:
お前こそ飽きないな。
一体いつまで穴を掘る?
{主人公}:
前に言った。 これじゃまだ小さい。
スキアーズ:
どれぐらい深ければいい?
{主人公}:
……天に届くほど。
スキアーズ:
興味深いな。 どういうことだ?
{主人公}:
わかってくれとは言わない。
ただ……
スキアーズ:
ただ?
{主人公}:
……真っ暗い穴の底まで
白い光が射すときがある。
それは……好きだ。
分け隔てのない、
優しさのように思えるから……
スキアーズ:
…… そうか。
{主人公}:
天と地にこだわる意味はない。
穴に入れば、 みんな同じだ。
なんとなく、 そう思うから。
スキアーズ:
…………
スキアーズは、 一振りの剣を |
{主人公}:
?
スキアーズ:
拾え。穴を掘らなくて
よくなる方法がある。
それを教えてやる。
2.1.4. 思い出4
───くぅっ!?
スキアーズ:
どうした。
まだ終わってはいないぞ。
{主人公}:
……こんなこど、頼んでない。
スキアーズ:
そうだな。 だが、
お前は拒まず俺に立ち向かって来た。
どうしてだ?
{主人公}:
…… こう言いたいんだろう?
『人々を魔獣から守れるくらい、 って……
スキアーズ:
誰がそんなことを言った。
{主人公}:
?!
スキアーズ:
死ね。
絶望し、
世界を呪うしか出来ぬのなら───
───お前の命に価値はない!
!!
スキアーズ:
ほう。
{主人公}:
あんたこそ、 何を考えている?
殺す気なら、
手加減はいらないだろう! ?
なんのつもりだ! ?
───フン!
ぐぅっ!!
スキアーズ:
気まぐれだ。
{主人公}:
……気まぐれで生かし、
気まぐれで殺すのか……!
スキアーズ:
そうだ。
{主人公}:
何の権利が有って!
スキアーズ:
言えば納得するか?
{主人公}:
くっ!?
権利は、 有る。
貴様には会うことすら叶わぬ
誰かが、 それを持っている。
それは真理だ。
だが真理を知ってどうする?
理由さえあれば従うか?
{主人公}:
……<闇の王 >のことか!
スキアーズ:
そうだ。 <闇の王 >に従うは、
黒なる民の宿命。
{主人公}:
あんたは王じゃないだろう!
───はぁっ!!!
{主人公}:
うあぁぁああああっ!?
スキアーズ:
……そうだな。
俺は王ではない……
───王に<なりかけた >半端者だ。
{主人公}:
……!?
スキアーズ:
命冥加な小僧め。
また来るぞ。
{主人公}:
なんなんだ……あいつ……!
2.1.5. 思い出5
スキアーズはその後も、
何度も彼の元へ訪れた。
{主人公}:
───うぉおおおっ!
スキアーズ:
まだまだだな。
くそっ!
スキアーズ:
その程度で俺の命は
くれてやれんぞ。
さあ、 もっと抵抗しろ。
でなくば今日こそここで、
貴様を穴に送ってやる。
{主人公}:
くっそぉおおおっ!
スキアーズは訪れる度、 |
そんな日々が、続いた─── |
{主人公}:
…………
スキアーズ:
俺を待っていたか?
{主人公}:
……ああ。
一つだけ、わかったことがある。
スキアーズ:
なんだ?
{主人公}:
あんたの意図はわからないが───
'''あんたを倒さない限り!
ここからどこへも
行けないってことだ! '''
はっ! くだらん!
スキアーズ:
仮に俺を倒して!
貴様はどこへ行こうというのだ! ?
{主人公}:
勝ってから決める!
不可能だな!
うぉおおおおおっ!
スキアーズ:
……小僧、 やるようになったな!
{主人公}:
おかげさまでっ!
スキアーズ:
目は覚めたか! ?
{主人公}:
何がだ! ?
スキアーズ:
'''貴様の理想……それ自体は、
誰に咎められることでもない!'''
だが!
『 人々を幸せにすること』 は、
容易ではないっ!
半端な覚悟では背負えぬ!
{主人公}:
そんなことはわかってる!
スキアーズ:
ならば、 どうするっ!
いつまでも穴を掘り、
天の助けを待つだけかっ!
!!
スキアーズ:
いいかげんに観念しろ!
理想が見えてしまった者には───
───実現させるために!
命を燃やす義務があるっ!
{主人公}:
なら……やってやるっ!
なってやるともっ!
<王 >にでも、なんでもっ!
2.1.6. 思い出6
スキアーズ:
……くくくくく……
!?
スキアーズ:
ははははははは……!
なんだ…… ! ?
スキアーズ:
嬉しいのさ。
{主人公}:
……何がだよ?
スキアーズ:
最期に、 こんな奇跡が
待っていたとはな……
{主人公}:
……奇跡だって…… ?
スキアーズ:
……よくやった。
{主人公}:
まだ終わっちゃいない。
スキアーズ:
いいや、 時間切れだ。
俺の、 な……
{主人公}:
お、おい、あんた!?
スキアーズ:
俺は、 いまの代の<闇の王 >と
後継者の座を争ったんだ。
老骨に決まってんだろ。
{主人公}:
何を言ってんだよ…… ?
スキアーズ:
小僧。 貴様にその剣をやる。
それを持って王都へ行け。
俺の館がある。 こう見えて、 名家だ。
その剣を持つ者が、
当主とみなされる。
!?
スキアーズ:
そして、 名乗りを上げろ。
自分こそは<黒の王子 >、
<闇の王 >の後継者候補だと。
{主人公}:
そんなことしてどうなる?
スキアーズ:
ヴァルアスという騎士がいる。
あいつは公平だ。
お前の剣の腕を見れば、
きっと目をかけるだろう。
認めさせれば、 位にも忠実だ。
{主人公}:
やるなんて言ってないぞ。
スキアーズ:
そこは……頷け……
俺に似た小僧よ……
{主人公}:
あんたに似てる! ?
ハッ、 冗談だろ?
スキアーズ:
言葉づかい、 もう少し改めろよ。
出来るだろ、 そのくらい?
{主人公}:
…………
スキアーズ:
俺もな…… 感じていたのだ。
<闇 >だけじゃない……
<光 >にも、 安息を、 な……
{主人公}:
……あんた……スキアーズさん……
本当にもう、 終わりなのか…… ?
スキアーズ:
お前にやられたわけではない。
もうとっくに、 空っぽだった。
<闇 >の力を、供給されなく
なっていたからな……
{主人公}:
…………
スキアーズ:
ま、 諦めるんだな。
面倒な奴の面倒な遺言を
聞いてしまった、 と。
……頼んだぞ。
今の世界は、 正しくはない……
お前の時代で……
変えてみせろ…… !
{主人公}:
……ああ……
{主人公}:
!? この、光は……!
スキアーズ:
!! 黒に生まれながら、
その<光>は……!
{主人公}:
自分が…… 放っているのか…… ?
{主人公}:
……任せたぞ……
{主人公}:
……スキアーズ……さん……!
{主人公}:
……好き勝手言ってくれて。
……だけど、 わかったよ……
あんたの言った通り……!
まずは、 その<闇の王 >の
後継者に、 なる……!
そうしたら……
きっと出来るんだよな…… ?
世界中のみんなを、幸せに───
そのとき、 主人公が |
───天から降り注ぐ白い光が、 |
闇の王の後継者
CV: 梶裕貴
闇の王子
黒の大地で生きる少年。
強い正義感を持ち、 世界の理に問いかける。
2.2. 光の王
白の少女
CV: 堀江由衣
アイリス
2.2.1. 思い出1
───それはずっとずっと昔の、 |
───運命の歯車が、 |
アイリス:
───ルーンの輝きよ……
白に生きる全ての者に、
安らぎを与えたまえ……
シーマ:
あら、 アイリス?
お祈りしてたの?
アイリス:
はい、 いま終わりました。
シーマ:
相変わらず早いのねぇ。
アイリス:
早起きだけが取り柄ですから。
シーマ:
見習いたいわ。
アイリス:
そんな。 シーマさんには、
ファイオスさんとテオくんの
お世話もありますもの。
シーマ:
そうなの。
お兄様、 自分一人だと
歯も磨けないのよ。
アイリス:
えっ! ?
シーマ:
それは嘘。 でも、
靴の紐も結べなくて。
アイリス:
えぇっ! ?
シーマ:
これが意外と本当なのよ。
アイリス:
じゃ、 じゃあ、
紐のない靴を履けば……
シーマ:
そうしているみたい。
本当、 同じ兄弟とは思えなくて。
テオは手先も器用なのに。
アイリス:
テオくん…… 将来が楽しみですね。
シーマ:
ふ~ん…… どう?
アイリス:
どうって?
シーマ:
テオいる?
アイリス:
そ、 そんな、 物みたいに……
シーマ:
冗談よ。
それに、 そんなことを
考えている暇もないわよね。
私も同じ。
アイリス:
はい。
シーマ:
私とあなた……
どちらが<光の王 >の
跡を継ぐかわからないけど……
どちらが選ばれても
恨みっこなしでいきましょう!
アイリス:
はい!
───それは…… 悲劇を生んだ |
2.2.2. 思い出2
───<光の王>の後継者候補、 |
アイリス:
……ルーンの輝きよ……
白に生きる全ての者に、
安らぎを与えたまえ……
まだ薄暗いうちから |
アイリス:
…………
そこでシーマと会うこともあれば、 |
アイリス:
……よし。
じゃあ、 そろそろ行きましょう。
祈祷が済んだ後、 |
アイリス:
あっ、 ふきのとう。
あっちにはタラノメも♪
日課である山菜採り。 |
アイリス:
ふふ、 どれもおいしそう♪
いまのところ、 食べるのに
困ってはいないけれど……
食糧は、 いつなくなるか
わからないものね。
備蓄に越したことはないわ♪
案外、しっかり者であった。 |
……そして<山菜採り >の技術は、 |
その事実を、 彼女はまだ知らない。 |
アイリス:
───はぁっ! やぁっ!
アイリスは、 暇を見つけて |
<光の王 >となれば、 |
ルーンの加護によって戦う |
アイリス:
……ファイオスさんたちには
敵わないかもしれないけど……
自分一人だけでも、
戦えるようにしなくっちゃ……!体力をつけ、 武芸を |
アイリス:
……ふぅ。こんなもにかしら。
アイリスは、 引き締まった |
… このことも、 |
それも、彼女はまだ知らない。 |
そして、 夜も更けた頃。 |
アイリス:
この世界が、 いつまでも───
───平和でありますように───
こうして、 <光の王 >の |
2.2.3. 思い出3
???:
──────
アイリス:
───はい。
シーマ:
より一層精進いたします。
………… |
…… |
<光の王 >の後継者たちは、 |
その帰り─── |
シーマ:
素敵なあのお方は。
<白の巫女 >と呼ばれるにも
ふさわしい方だわ。
アイリス:
ええ、 ほんとうに。
シーマ:
あの方の跡を継いで、
王になるなんて……
アイリス:
責任重大ですね。
シーマ:
何をいまさら。
怖くなったの?
アイリス:
そんなことは……
シーマ:
私はなったわよ。
アイリス:
シーマさん?
シーマ:
<光の王>ともなれば、
ずっと王宮暮らしだわ。
退屈で死んじゃいそう。
アイリス:
もう、 シーマさんたら。
シーマ:
ふふ。 でも、
お行儀よく、 ずっと玉座に
座ってるのって、 きっと苦労だわ。
アイリス:
それはそうかもしれませんね。 案外
シーマ:
なあに?
アイリス:
あの方も……夜には
お城を抜け出して、
遊んでいたりして?
シーマ:
まさか。 そんな話。
聞いたこともないわ。
アイリス:
でも、 <始祖のルーン >の
力があれば、
容易いことですよね?
シーマ:
そうかもしれないけど……
<光の王 >が、 そんなこと……
アイリス:
ふふふ、わかってますよ。
なんとなく、そう思っただけです。
……<白の巫女 >は、
光と共に天空に在りて、
常に<均衡 >の一端を担う───
───ですもんね。
シーマ:
それも、 言われても
あまりピンとはこないけれど……
アイリス:
王にとっては、 きっと
意味が違ってくるんだと
思います。
シーマ:
でしょうね……
アイリス:
そう───穏やかに微笑む
だけじゃなくて……
王は、 笑顔の裏では、 きっと───
シーマ:
……?
さあ、もう行きましょう。
アイリス:
ええ、そうですね。
2.2.4. 思い出4
アイリス:
───ごちそうさまでした♪
とてもおいしかったです♪
シーマ:
いえいえ、お粗末さまでした。
テオ:
またいつでも来てよ!
三人分も四人分も、
手間は変わらないからさ!
シーマ:
テオ、 そういう台詞は、
自分が料理したときに言うものよ?
テオ:
へへへっ!
姉ちゃんの代弁をしてやったんだい!
ファイオス:
こら。 調子に乗るな。
テオ:
イタッ!
ぶつことないじゃないか!
ファイオス:
ぶってないだろ……
やかましい奴だな。
アイリス:
……ふふふ……♪
ファイオス:
じゃあ、 俺はアイリスを
送ってくる。
シーマ:
はい。
テオ:
おみやげ───!
ファイオス:
買わん。
テオ:
ちぇー!
………… |
…… |
ファイオス:
……まったく……
テオのやつ、 客が来ると
いつもよりうるさくなるから……
アイリス:
にぎやかで、 とっても楽しい
お食事でしたよ♪
ファイオス:
そう言ってくれるならいいが……
アイリス:
いつも、 すみません。
お世話になりっぱなしで……
ファイオス:
アイリスは気にするな。
テオじゃないが、 手間は
変わらないんだから。
山菜もいつももらってるし。
アイリス:
山に行けば、 生えてますが……
ファイオス:
……いや。
アイリスが摘んでくれた山菜は、
他とは違って、 美味いぞ。
アイリス:
そうですか?
誰が摘んでも同じような……
ファイオス:
違う!
アイリス:
え?
ファイオス:
いや…… その…… すまん。
大きな声を出してしまって。
だが、 違うんだ。 美味いんだ。
本当に。
アイリス:
……そうですか?
ふふ…… よかったです♪
ファイオス:
…………
アイリス:
…… お見送り、
ありがとうございました。
それじゃあ、 ここで……
ファイオス:
また、 いつでも来てくれ。
アイリス:
山菜を持って、 また行きますね。
ファイオス:
ああ…… 山菜は…… 好きだ。
アイリス:
覚えておきます。
じゃあ、 おやすみなさい。
ファイオス:
……ああ、 好きだとも。
少し……苦いくらいがな……
2.2.5. 思い出5
───白の王国の端。 |
アイリスはその場所が好きだった。 |
アイリス:
……いい風……
眼下に広がる空と雲。
まるで自分が鳥になったかの
ような景色……
アイリス:
…… だけど、 きっと変わるのね。
私が、 <光の王 >の
跡を継いだとしたら───
───この景色の、 意味も。
後継者争い───と呼ぶほど、 |
最終的に誰が選ばれるか。 |
アイリス:
……でも、 わからないことがある。
王を継ぐのに……
最も大事なことは、 なに…… ?
私にそれがあるのなら、
喜んで継ぐのだけれど……
…………
……? あれは……
アイリス:
!! 闇の魔物!
地表も遠い白の王国…… |
アイリス:
騎士団に報せなきゃ!
アイリス:
!! ダメ、 速い!
アイリス:
……こうなったら……!
───私がやるしかない───!
アイリス:
ルーンよ…… 力を貸して……!
2.2.6. 思い出6
アイリス:
邪なる<闇 >よこの空より、
消え去りなさい…… !
……やった…… !
<闇 >を、払えたわ……!
どこからか、 不思議な声が |
アイリス:
……え……?
???:
───<白の巫女 >とは───
───最後の砦───
アイリス:
この声……あなたは……
???:
───必要なのは───
───孤独と向き合い───
───戦い抜くこと───
アイリス:
……孤独と…… 向き合う……
……はい……!
不思議な声は聞こえなくなった─── |
アイリス:
…… ありがとうございます。
わかった気がします。
覚悟が出来た気がします。
<光の王 >、 その使命に
立ち向かうための、 覚悟が。
私は……守ります。
たとえどんなに孤独でも───
───私だけになっても、
ここに立ち続けます───!
………… |
…… |
{{{#White ほどなくして、 アイリスは <光の王 >の座を受け継ぐ───- |
───しかし─── |
王とは本当に───孤独なのか───? |
世界は一人で支えるものなのか─── |
光の王
CV: 堀江由衣
アイリス
白の巫女とも呼ばれる、 白の王国の王。
光の力の根源たる<始祖のルーン>を司る。